日本大百科全書(ニッポニカ) 「切削油」の意味・わかりやすい解説
切削油
せっさくゆ
cutting oil
旋盤工具類による金属の切断、研摩、穿孔(さくこう)などの際に、潤滑、冷却、防食などの目的で用いられる油。鉱油、油脂をベースとして石油スルホン酸塩、硫化油脂その他リン、塩素などを含む油溶性化合物を添加して、潤滑性能を高めた水不溶性の不水溶性切削油と、高速切削の際の冷却性を重視した水に可溶性の水溶性切削油に大別される。後者はさらに乳化型、可溶型および溶液型に分類されるが、一般に軽質鉱油に5~10%の水中油滴型(o/w型)乳化剤(スルホン酸塩、ロジン酸、ナフテン酸、脂肪酸のアルキロールアミンせっけん、ポリオキシエチレン系非イオン活性剤、エマルホアSTH型RSO2NHCH2COONa界面活性剤など)を添加し、さらにアルコール類、グリコールエーテル類、テルペン系溶剤、消泡剤、殺菌剤、硬水軟化剤などを配合したもので水を加えた場合、耐荷重性、防錆(ぼうせい)効果の優れた安定な乳液もしくは透明溶液が得られる。
[岡原光男]