切回す(読み)キリマワス

デジタル大辞泉 「切回す」の意味・読み・例文・類語

きり‐まわ・す〔‐まはす〕【切(り)回す】

[動サ五(四)]
中心になって物事を処理する。また、巧みにやりくりする。「店をひとりで―・す」
物のまわりを切る。
「髪を禿かぶろに―・し」〈平家・一〉
あちらこちらを切る。また、手当たりしだいに切る。
「すすけたる明かり障子の破ればかりを、禅尼手づから、小刀して―・しつつ張られければ」〈徒然・一八四〉
[類語](1扱う取り扱う計らうさばくこなす取りさばく処する律する取り組む手掛ける事に当たる本腰を入れる

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精選版 日本国語大辞典 「切回す」の意味・読み・例文・類語

きり‐まわ・す‥まはす【切回】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. 物のまわりを切る。
    1. [初出の実例]「十四五六の童部を三百人揃へて、髪を禿(かぶろ)にきりまはし」(出典平家物語(13C前)一)
  3. あちらこちらを切る。また、手当たり次第に切る。むやみと切る。
    1. [初出の実例]「すすけたる明り障子の破ればかりを、禅尼手づから、小刀してきりまはしつつ張られければ」(出典:徒然草(1331頃)一八四)
  4. 中心となって事を処理する。また、巧みにやりくりする。
    1. [初出の実例]「老婦(ばあさん)よりは宜しいに相違ございませんけれど。どうも此家の経済を切廻(キリマハ)さうといふには」(出典:二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉上)
  5. 奉公人遊女などの契約期間を延長する。年季を延ばす。切り増す。
    1. [初出の実例]「間夫が為に今また三年を切廻(キリマハ)し過すとも」(出典:御代恩沢(1790)二)

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