計らう(読み)ハカラウ

デジタル大辞泉 「計らう」の意味・読み・例文・類語

はから・う〔はからふ〕【計らう】

[動ワ五(ハ四)]
考え合わせて、適切に処置する。とりはからう。「便宜を―・う」「よきに―・え」
何かを決めるために話し合う。相談する。「友人と―・って決める」
計画を立てる。企てる。
「為朝、合戦次第―・ひ申せ」〈保元・上〉
適当に選び定める。見はからう。
「日を―・ひて、いつしか、と思ほすほどに」〈東屋
相手事情を考えて、柔軟な処置をとる。手加減をする。
「飯を―・ひ盛り、人にすすむる役者」〈咄・醒睡笑・一〉
[可能]はからえる
[類語](1扱う取り扱うさばくこなす切り回す取りさばく処する律する/(2相談話し合い打ち合わせ下相談談合合議協議商議評議評定ひょうじょう鳩首きゅうしゅ凝議ぎょうぎ内談示談用談来談商談額を集める膝を交える話し合う打ち合わせるはか

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「計らう」の意味・読み・例文・類語

はから・うはからふ【計・量・図・諮】

  1. 〘 他動詞 ワ行五(ハ四) 〙 ( 動詞「はかる(計)」に「あう(合)」の付いた「はかりあう」の変化したもの。一説に「はかる」に反復継続の助動詞「ふ」の付いてできたものとも )
  2. 相談する。協議する。打ち合わせる。
    1. [初出の実例]「衆僧聞きて、商量(ハカラヒ)て言はく〈国会図書館本訓釈 商量 ハカラヒテ〉」(出典:日本霊異記(810‐824)中)
  3. みずから思いめぐらす。考慮する。
    1. [初出の実例]「御屏風のことせらるるとて、えさるまじき便りをはからひて責めらるることあり」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
  4. 適当な頃合いをみる。うかがいみる。見はからう。
    1. [初出の実例]「御むかへの人々もさわがしければ、心も空なれど人まをはからひて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)明石)
    2. 「艷に人の目とどめつべき程をはからひつつ、おとづれければ」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)三)
  5. 適切に処置する。取りしきる。取りなす。
    1. [初出の実例]「帥殿へ行けとはからひたるが、限りなくうれしきなりけり」(出典:落窪物語(10C後)四)
  6. 手加減をする。斟酌(しんしゃく)する。
    1. [初出の実例]「武家の台所に、飯をはからひ盛り、人にすすむる役者をおごとはいふならし」(出典:咄本・醒睡笑(1628)一)
  7. ( 「…とはからい」の形で ) …しようとかまわない。…しようとままよ。
    1. [初出の実例]「テキハ センギ マンギ アラウト facarai(ハカライ) ココロザス カタキワ ヲヤマ イチニンデ アル信太の舞〕」(出典:ロドリゲス日本大文典(1604‐08))

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