切幡寺(読み)きりはたでら

精選版 日本国語大辞典 「切幡寺」の意味・読み・例文・類語

きりはた‐でら【切幡寺】

徳島県阿波市切幡にある真言宗大覚寺派の寺。山号得度山。弘仁年間(八一〇‐八二四空海開山と伝えられる。四国八十八所第一〇番札所。

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日本歴史地名大系 「切幡寺」の解説

切幡寺
きりはたじ

[現在地名]市場町切幡

観音かんのん山の南にある。高野山真言宗。得度山灌頂院と号する。本尊千手観音菩薩像。四国霊場八十八ヵ所の第一〇番札所で、御詠歌は「よくしんをたゝ一すちに切はたじのちの世まて障とそなる」(四国遍礼道指南)。寺伝では弘仁年間(八一〇―八二四)空海の巡錫のとき信心深い女が織りかけの布を裁って世話したことから、空海は千手観音を刻んで得度させると、女はたちまち千手観音の姿になって即身成仏したという。空海は一宇建立し、切幡寺と号したと伝える。正中二年(一三二五)「切幡寺」院主の尊忍が亡き弟の祥観房能慶の遺志を継いで、高野山灌頂かんじよう(現和歌山県高野町)に両界祖師供灯料として高野山領真国まくに(現同県美里町)内の野間のまの水田二四〇歩(定田二石五斗)を買取って寄進、また御影堂陀羅尼田として官省符かんしようふ(現同県高野口町など)北山中村内の摩尼田および同庄下方の東伊揖里ひがしいぶり(現同県かつらぎ町)内の田井田たいだの一段大が寄進されている(同年四月二一日「尊忍田地寄進状」高野山文書)

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デジタル大辞泉プラス 「切幡寺」の解説

切幡(きりはた)寺

徳島県阿波市、徳島自動車道の切幡トンネル付近にある高野山真言宗の寺院。山号は得度山、院号は灌頂院。本尊は千手観世音菩薩。明治時代に堺から移建された大塔は、徳川秀忠が摂津住吉神社に寄進したものと伝わり、国の重要文化財指定。四国八十八ヶ所霊場第10番札所。

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