別儀・別義(読み)べつぎ

精選版 日本国語大辞典 「別儀・別義」の意味・読み・例文・類語

べつ‐ぎ【別儀・別義】

〘名〙
① 別のこと。別の意味。ほかのわけ。他事。別事。べちぎ。
吾妻鏡‐治承四年(1180)九月三日「一旦匪平氏命。造意企已似有別儀
読本椿説弓張月(1807‐11)続「竊(ひそか)愚意を聞えあげばやとて、驚し奉る事、別義(ベツギ)にあらず」
② 特別の理由。格別の事情。
※玉葉‐嘉応二年(1170)四月一九日「戒牒敦光朝臣草之、彼尚非公卿、但今度只別儀也、莫言々々」
③ (打消の語を下に伴って用いる) 具合の悪いこと。さしつかえ。支障
咄本醒睡笑(1628)五「大ばをは茶にさへきらふ物なれど心砕けば別儀あらじな」
仮名草子智恵鑑(1660)四「所の者の申すも別儀なく」
④ するべきでないこと。裏切ること。
三河物語(1626頃)三「一には、主に弓を引、べつぎ、べっしんをしたる人は、知行おも取、すへもさかへ、孫子迄もさかると見へたり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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