前川レポート(読み)まえかわレポート

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

前川レポート
まえかわレポート

正式名称は「国際協調のための経済構造調整研究会報告書」。1986年4月,中曽根康弘首相の私的諮問機関,経済構造調整研究会が取りまとめた報告書の通称。同研究会の座長を務めた前川春雄元日本銀行総裁の名に由来する。日本をめぐる近来の国際経済の環境変化に対応して中長期的視野から,日本の今後の経済社会の構造,および運営に関する政策のあり方を示した。内需拡大,国際的に調和のとれた産業構造への転換,市場アクセスのいっそうの改善と製品輸入の促進,国際通貨価値の安定化と金融の自由化・国際化,国際協力の推進と国際的地位にふさわしい世界経済への貢献などの提言がまとめられている。翌 1987年4月,経済審議会経済構造調整特別部会がこの提言に基づいた「構造調整の指針」を提出した(→新・前川レポート)。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

まえかわ‐レポート〔まへかは‐〕【前川レポート】

《「国際協調のための経済構造調整研究会報告書」の通称》中曽根内閣の私的諮問機関として設けられた研究会が、昭和61年(1986)に提出。内需主導型の経済成長輸出入・産業構造の抜本的転換、金融資本市場の自由化・国際化の推進、およびマル優などの貯蓄優遇税制の抜本的見直しなどを提言した。名称は、研究会の座長が前川春雄日銀総裁だったことから。前川リポート
[補説]昭和60年(1985)のプラザ合意後、円高が急速に進行したにもかかわらず、日本は依然として巨額の貿易黒字を計上し、欧米諸国との間で経済摩擦が生じていた。前川レポートは日本に市場開放と内需拡大を迫る米国など諸外国の外圧に対応する内容となっていたが、内需を刺激するための金融緩和策が国内のマネーサプライを急増させ、バブル経済を生む結果となった。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディアの解説

前川レポート【まえかわレポート】

1986年に中曾根康弘首相の私的諮問機関〈国際協調のための経済構造調整研究会〉(座長前川春雄元日銀総裁)が発表した報告書。内需主導型経済への転換をはかるべきだとした。1987年には,新前川レポートとして,年間労働時間1800時間の達成などを提言。
→関連項目中曾根康弘内閣

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

バズる

[動ラ五(四)]《「バズ」の動詞化》俗に、ウェブ上で、ある特定の事柄について話題にする。特に、SNSを通じて多人数がうわさをしたり、意見や感想を述べ合ったりして、一挙に話題が広まることを指す。→バズマ...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android