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前適応 ぜんてきおうpreadaptation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

前適応
ぜんてきおう
preadaptation

生物にとっての環境条件が変化した際,それに適応するような変異があらかじめ生じていたとき,その生物は前適応していたといわれる。フランスの進化学者 L.キュエノーの造語。現行の正統進化理論では,環境に合う有利な突然変異が選び出されて進化が生じるとしているので,進化は,ある見方ではすべて微小な前適応の集積ということにさえなる。たとえばミジンコのなかに,池の水温よりも低い温度に適する変異体がときどき現れるとして,ある原因からその池の水温が低くなれば,この変異体が新しい優勢な群として確立する。

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デジタル大辞泉の解説

ぜん‐てきおう【前適応】

生物のある形質が、進化の過程で元来とは別の機能や役割をもつ形質として転用されること。

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世界大百科事典 第2版の解説

ぜんてきおう【前適応 preadaptation】

生物進化に関する概念の一つ。ある生物の器官や行動が,特定の生活または機能に対する適応を進化させてきたとき,それがそれまでとはまったく異なった生活または機能に対してもたまたま適応性をもつことがあり得る。その場合,もしその生物がその異なった生活または機能を採用するように変わる機会があれば,その適応性によってそれまでとは異なる路線の進化を開始することが可能になる。これが前適応の考え方である。この概念は大進化を説明するうえで,ネオテニーと並んで,重要なものであると考えられており,例えば脊椎動物の進化での顎骨や羊膜卵や翼の出現を説明するためにしばしば用いられている。

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