加工貿易(読み)かこうぼうえき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

加工貿易
かこうぼうえき

加工品輸出貿易と加工品輸入貿易とがある。前者は原料品または原料用製品を外国から輸入し,これを自国内で加工して別種の製品として外国へ輸出するもの。後者は原料のまま,または原料用製品をつくって輸出し,外国で加工した製品を逆に輸入するもの。実際上は後者の例が少いので,加工貿易は一般に加工品輸出貿易をさす。このうち輸入相手国に加工品を再輸出するのを積極的加工貿易といい,第三国に再輸出するのを通過的加工貿易という。

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百科事典マイペディアの解説

加工貿易【かこうぼうえき】

委託加工契約によって輸入した品物を加工して再輸出すること。資源の少ない日本では,鉄鉱石,石油,綿花等を輸入し,加工して工業製品,綿製品として輸出,後には精密・高度な技術を必要とする電気製品,自動車等が主要な輸出品となった。原輸出国に再輸出するものを積極的加工貿易,第三国に輸出するものを通過的加工貿易という。その目的は加工賃,運賃,保険料等をかせぐことにある。免税の特典がある(日本では再輸出1年以内の場合)。→委託加工貿易
→関連項目保税工場保税地域

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世界大百科事典 第2版の解説

かこうぼうえき【加工貿易 processing trade】

輸入原材料を用いて自国内で加工・製造し,できあがった製品を輸出する貿易。天然資源に恵まれない日本では,これまでも,綿花,鉄鉱石,石油といった工業用原材料やエネルギー資源を輸入し,綿製品や鉄鋼といった工業製品を輸出する加工貿易を行ってきた。さらに1960年代以降は,自動車や電気製品のように加工工程のより複雑な,高度の技術が必要な工業製品を輸出するようになった。しかし一方では,国内加工における賃金が高くなったため,加工工程を海外に委託する加工生産方式をとるケースもふえている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

加工貿易
かこうぼうえき
improvement trade

外国から原材料または半製品を輸入し、これを自国で加工して製品をつくり、それを輸出する貿易形態。加工貿易を行っている国は原材料の海外依存度の高い国であり、典型として日本、イギリス、ドイツなどの先進工業国がある。とくにわが国の場合は、天然資源に恵まれていないため、原材料を海外に求め、加工してつくられた製品の一部を輸出し、その外貨収入でふたたび原材料や食料、その他の製品を輸入する加工貿易国として発展、現在も貿易の中心は加工貿易である。しかし、現在は工場の海外移転の増加やアジア諸国の工業化の進展等を背景に、1985年(昭和60)には31%であった製品輸入比率が2001年(平成13)には61%へと上昇、日本の貿易構造は変化をみせている。
 個々の貿易取引、つまり業者レベルにおける加工貿易の代表的なものとしては、委託加工貿易と中継加工貿易がある。前者は、外国の業者から原材料の供給を受け、これを加工し、外国業者の指定する国に輸出する取引形態である(これには自国の業者が原材料を外国の業者に供給し加工を委託する逆の形態もある)。後者は、業者が自己の危険と計算において外国から原材料を輸入し、これを加工して得た製品を輸出する取引形態である。このような業者レベルの加工貿易を振興するため各国とも関税上の優遇措置をとっている。わが国では、輸出品の製造に用いられる輸入原材料の関税を免除するという保税工場制度、すでに納めた関税を払い戻すという戻税制度などがある。[田中喜助]

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