勝沼精蔵(読み)カツヌマ セイゾウ

20世紀日本人名事典 「勝沼精蔵」の解説

勝沼 精蔵
カツヌマ セイゾウ

大正・昭和期の内科医,血液学者 元・名古屋大学学長。



生年
明治19(1886)年8月28日

没年
昭和38(1963)年11月10日

出生地
静岡

学歴〔年〕
東京帝大医科大学〔明治44年〕卒

学位〔年〕
医学博士〔大正8年〕

主な受賞名〔年〕
日本学士院賞〔昭和15年〕「細胞内オキシターゼの組織学的研究」,文化勲章〔昭和29年〕,西独フライブルク大学名誉博士号〔昭和32年〕

経歴
大正8年パリ平和会議に随行以来、西園寺公望主治医になる。名古屋医専、愛知医科大各教授を経て、名古屋帝大教授。同附属病院長、同航空医学環境医学研究所長を歴任し、昭和24〜34年名大学長を務めた。血液学、老年医学に多大な業績を残す。一方クラシック音楽を好み、ヨーロッパを旅行するとレコードを買い求め、その数463枚。38年77歳で他界後、55年遺族によって、愛用のSPレコード蓄音機が中部工大の新図書館に寄贈された。10年以上かかって整理を終え、平成4年コレクション初公開、またレコードコンサートが開催される。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「勝沼精蔵」の意味・わかりやすい解説

勝沼精蔵
かつぬませいぞう
(1886―1963)

内科医。静岡県生まれ。1911年(明治44)東京帝国大学医科大学を卒業。主として細胞内酸化還元酵素オキシダーゼの組織学的研究に従事、1919年(大正8)愛知県立医学専門学校(名古屋大学医学部の前身)教授。1924年ドイツで『Intrazellulare Oxydation und Indophenolblausynthese』を公刊、1926年帝国学士院賞受賞。このほか、血液学、無脳症など先天性形態異常、癌(がん)、結核、航空医学、老人医学など多岐にわたる研究業績がある。1932年(昭和7)から14年間大学附属病院長。西園寺公望(きんもち)の侍医としても知られ、1946年(昭和21)学長公選規程による初の名古屋大学学長に選出され、3期10年その職にあった。1954年文化勲章受章。昭和38年、第17回日本医学会総会会頭の現職のまま死去した。

[神谷昭典]

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改訂新版 世界大百科事典 「勝沼精蔵」の意味・わかりやすい解説

勝沼精蔵 (かつぬませいぞう)
生没年:1886-1963(明治19-昭和38)

内科学・病理学者。静岡県出身。1911年東京帝国大学医学部卒業後,三浦謹之助につき内科学を,ついで長与又郎につき病理学を専攻した。19年愛知県立医学専門学校教授となり内科を担当,同校は愛知医科大学,名古屋帝国大学医学部と昇格したが,引き続いて内科学を担当した。その間,付属病院長を長年務め,40年航空医学研究所長,第2次大戦後は環境医学研究所長を経て,49年同大学学長に選ばれた。研究業績は多方面にわたるが,1926年〈オキシダーゼの組織学的研究〉により帝国学士院賞が授与され,帝国学士院会員に推された。54年文化勲章受章,またフランス,ドイツから勲章が贈られている。西園寺公望の侍医であったため皇室とも関係が深い。随筆集《桂堂夜話》がある。
執筆者:

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「勝沼精蔵」の意味・わかりやすい解説

勝沼精蔵
かつぬませいぞう

[生]1886.8.28. 静岡
[没]1963.11.9. 名古屋
医学者。 1911年東京帝国大学医科大学卒業。 19年名古屋医学専門学校教授となり,同校の大学昇格に尽力し,名古屋大学付属病院院長,航空医学環境医学研究所所長となり,49~59年名古屋大学学長。内科学の権威で,ことに血液学を専門とし,国際血液学会会長をつとめた。また老年医学の大家。 47年日本学士院会員となり,54年文化勲章受章。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「勝沼精蔵」の解説

勝沼精蔵 かつぬま-せいぞう

1886-1963 大正-昭和時代の医学者。
明治19年8月25日生まれ。昭和14年名古屋帝大教授となり,24年学長。血液学,神経病学,航空医学など幅ひろい分野に業績をのこす。西園寺公望の主治医をつとめた。大正15年「オキシダーゼの組織学的研究」で学士院賞。昭和29年文化勲章。昭和38年11月10日死去。77歳。静岡県出身。東京帝大卒。

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367日誕生日大事典 「勝沼精蔵」の解説

勝沼 精蔵 (かつぬま せいぞう)

生年月日:1886年8月28日
大正時代;昭和時代の医学者。名古屋大学学長
1963年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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