南城(市)(読み)なんじょう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

南城(市)
なんじょう

沖縄県、沖縄本島南東端にある市。2006年(平成18)島尻(しまじり)郡佐敷町(さしきちょう)、玉城村(たまぐすくそん)、知念村(ちねんそん)、大里村(おおざとそん)が合併、市制施行して成立。市域は沖縄本島の南部と久高島(くだかじま)、コマカ島、奥武島(おうじま)からなる。北から西は島尻郡与那原(よなばる)町、南風原(はえばる)町、八重瀬(やえせ)町に接し、北東は中城(なかぐすく)湾に、東から南は太平洋に臨み、台地の縁は断崖の傾斜地を形成する。南東部は断崖絶壁。知念岬の東方海上にコマカ島、さらに東方に久高島がある。地質は大半が第三紀島尻層群の泥岩・砂岩類を基盤として石灰岩台地が連なる。雄樋(ゆうひ)川は中央部の大城(おおしろ)ダムを源流とし、八重瀬町との境で太平洋に注ぐ。途中、一部で地下河川となり、玉泉洞(ぎょくせんどう)などの洞穴群を形成している。市域の西部は饒波(のは)川が西流し、南風原町に流入する。交通は那覇を発して島尻を一周した国道331号が海岸線に沿って走り、内陸部は主要地方道の県道77号、86号、そのほか一般県道によって国道とつながっている。志喜屋(しきや)漁港、安座真港(あざまこう)などがあり、安座真港から久高島へ定期船が就航している。
 市域は早くから開け、貝塚時代前期の熱田原貝塚(あったばるかいづか)、後期のシマシヤーマ遺跡がある。久高島は琉球神話の創生神アマミキョがはじめて上陸した地とされ、沖縄における五穀発祥の地と伝える。知念地区の知念大川(ちねんうっかー)は、玉城地区の受水走水(うきんじゅはいんじゅ)とともに、アマミキョが天から持ち来たった稲を植えた地といい、沖縄の稲作発祥地とされる。1392年(洪武25)に父に代わって佐敷按司(あじ)となり、のち中山王となった尚巴志(しょうはし)は、1429年(宣徳4)に山南王の他魯毎(たろまい)を滅ぼして三山(中山・山南・山北の三つの王権)を統一したという。佐敷には父子の居城と伝える佐敷上城跡がある。また東部海岸近くには歴代の知念按司の居城と伝える連郭式の知念城(国指定史跡)がある。国指定史跡の斎場御嶽(せいふぁうたき)(出土品は国指定重要文化財)は、2000年(平成12)に琉球王国のグスクおよび関連遺産群としてユネスコの世界遺産に登録された。湧水井泉の仲村渠樋川(なかんだかりひーじゃー)は男性用、女性用の水場、拝所、などが復元されており、国指定重要文化財。ほかにも糸数城跡(いとかずじょうあと)、玉城城跡(いずれも国指定史跡)、垣花(かきのはな)城跡などの旧跡がある。
 主要産業は農業と美しい自然の恵みと文化遺産を活かした観光で、あざまサンサンビーチ、新原(みいばる)ビーチ、知念岬公園などがある。垣花樋川(かきのはなひーじゃー)は環境省の全国名水百選に選ばれている。現在、旧暦5月4日には奥武島でハーリー(爬竜船競漕)が催されるほか、奥武の観音祭、前川(まえかわ)のアヤグ、志堅原(しけんばる)の醜童(しゅんどう)、仲村渠の綱引き、玉城の獅子舞などの伝統芸能が行われている。面積49.94平方キロメートル、人口は4万2016(2015)。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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