ユネスコ
国連教育科学文化機関 (ユネスコ) 教育、文化、科学を通じて各国民の協力を促進し、世界平和と安全に貢献することを目的に1946年発足。本部 をパリに置き、識字率向上や世界の文化、自然遺産 の保護活動に取り組む。ユネスコによるとパレスチナ を含む194カ国・地域が加盟。日本は51年に加盟した。ユネスコの世界遺産委員会 は「世界遺産 」の登録可否を判断している。(共同)
更新日:2025年7月22日
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ユネスコ UNESCO
国際連合教育科学文化機関United Nations Educational,Scientific and Cultural Organizationの略称。教育,科学,および文化の面での国際協力 を目的とする国際連合の専門機関。設立の沿革は,第2次大戦中ロンドンに亡命していた諸国政府(ベルギー ,チェコスロバキア ,フランス,ギリシア ,ルクセンブルク ,オランダ ,ノルウェー ,ポーランド ,ユーゴスラビア )の文部大臣 によって開催された連合国文相会議が,戦争の破壊と荒廃によってもたらされる教育上の諸問題を検討したことに端を発し,1945年11月国際連合教育文化会議が招集され44ヵ国が出席してユネスコ憲章を起草,採択した。憲章は46年11月に発効,本部をパリに置いて発足した。〈戦争は人の心の中で生れるものであるから,人の心の中に平和のとりでを築かなければならない〉という言葉で始まるユネスコ憲章は,教育,科学,文化を通じて諸国民の協力を促進することにより,平和と安全に貢献することを目的とし,そのためにマス・コミュニケーション 等を通じて諸国民が知識を交換し,相互理解を深め,一般教育と文化の普及,文化遺産の保存,知識人の交流,出版,芸術の交換等を促進する。そのため,これまでに教育,科学,文化面での国際協力に関する多くの条約,勧告,宣言を採択している。国際連合の加盟国は当然ユネスコの加盟国となる資格をもつが,国連非加盟国も執行委員会の勧告にもとづき,総会の3分の2の賛成をえて加盟を認められる。2005年現在ユネスコの加盟国は191ヵ国である。日本は1951年に60番目の加盟国となったが,第2次大戦後国際社会で孤立した日本が最初に加盟を認められた国際機関であった。
ユネスコの組織は,総会,執行委員会,および事務局からなる。最高機関である総会は通常2年に1回開催され,政策と重要方針の決定,予算の承認等を行う。執行委員会は総会から選出された58名の委員(日本を含む)で構成し(任期は4年),総会が開催されていない期間に総会から委任された権限を行使する。事務局は事務局長(任期4年)と事務局長が任命する職員約2400人からなる。ユネスコの予算には,加盟国の分担金で賄われる通常予算と,予算外財源とが含まれる。後者は国連開発計画 から執行機関としてのユネスコが受領する資金がおもなものであるが,そのほかに加盟国の政府や民間からの拠出金がある。
ユネスコの創設当初は,戦争によって荒廃した教育の再建に重点が置かれ,初等教育 の無償義務化,東西文化価値の相互認識などを優先領域に指定したが,1960年代からは発展途上国 の開発援助の一環としての教育,科学技術に重点を置くようになった。のみならず,その活動には,第三世界の立場を強く反映した政治色の強いものがめだち,ユネスコ財政の最大の負担国である西側先進国からの強い不満と,改革の要求が生まれた。その結果は,まずアメリカ が84年末をもってユネスコから脱退し,続いて85年にイギリス とシンガポールが脱退した(イギリスは97年,アメリカは2003年に復帰)。西側諸国が改革を求める点は,(1)ユネスコの活動が本来の目的を逸脱して,〈イスラエル非難〉決議のように過度に〈政治化〉したこと,(2)1978年のマス・メディア宣言(新世界情報コミュニケーション秩序 )にみられるような自由主義社会の諸原則に対する挑戦,(3)事務局の無節制ともいえる運用,などがある。日本も,ユネスコの危機を乗り切るために,その抜本的改革を訴えており,具体的にはユネスコ本来の分野の事業を精選し集中して実施すること,第2に予算の膨張を抑制すること,第3に人事,予算の事務局運営の合理化・効率化を図ることが急務であるとして,改革に向けての強い意向を表明した。
なお,加盟各国にはユネスコ国内委員会が原則として置かれ,日本では〈ユネスコ活動に関する法律〉(1952施行)がこれについて規定している。また各国には民間ユネスコ活動を行うユネスコ協会のような団体が組織されている。 →国際連合 執筆者:香西 茂
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ユネスコ UNESCO (United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization)
国連教育科学文化機関の略称。1946年に教育,科学,文化に関する国際協力を通じて世界平和に貢献する国際連合 の専門機関として設立され,本部はパリにある。80年代には特定のイデオロギーを持つ途上国の人々が主導権を握って事業を運営し,財政運用も放漫だったため,西側諸国が抗議し,アメリカは脱退したが,90年代にはそうした問題は是正されアメリカも2003年に復帰した。
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世界大百科事典(旧版)内の ユネスコの言及
【科学技術政策】より
…[国際機関] 全地球的視野で解決を要する天然資源,食糧,環境,衛生,エネルギーなどの諸問題についての活動が展開され,また発展途上国の国民経済の発展を図るための科学技術力の強化を図る援助活動が続けられている。国連における〈開発のための科学技術政府間委員会〉〈新・再生可能エネルギー政府間委員会〉などは総合的なものであるが,発展途上国援助につき国連開発計画(UNDP),国連貿易開発会議(UNCTAD),国連工業開発機構(UNIDO)などの機構において技術協力が活発化しており,また宇宙空間平和利用委員会,国連環境計画(UNEP)などの活動のほか,国際原子力機関(IAEA),国連食糧農業機関(FAO),世界保健機関(WHO),国連教育科学文化機関(UNESCO)等の専門機関が,それぞれ技術援助や情報活動を行っている。また経済協力開発機構(OECD)においては,科学技術政策委員会(CSTP)などいくつかの委員会で交流が行われている。…
【児童福祉】より
…児童自立生活援助事業とは,里親もしくは保護受託者からひとり立ちした義務教育終了後の児童が,自立できるように,これらの者が共同生活を営む住居において,相談その他の日常生活上の援助や生活指導を行う事業としている。【国際的な児童福祉機関】 国際的な視野で世界各国の最もめぐまれない児童の問題解決を図りつつある代表的な公的機関としては,国際連合の専門機関である国際連合児童基金([ユニセフ]),国際連合教育科学文化機関([ユネスコ])がある。また世界の児童の保健問題については[世界保健機関](WHO)が飢饉や戦乱で食糧危機にみまわれた児童の援護に当たり,飢餓状態の人々に対しては世界食糧理事会(WFC)や国連食糧農業機関([FAO])が介入する。…
【著作権】より
…思想または感情を創作的に表現したもので,文芸,学術,美術,音楽の範囲に属するもの(著作物)を排他的に利用(複製,上演・演奏,公衆送信など)する権利。[著作権の成立前史] 著作物の経済的な利用を法の領域で保護するようになるのはそれほど古いことではない。それは,著作物を複製する技術の開発・普及に対応して進展してきた。古代では著作物がつくり出されてもこれを複製する技術が普及していなかった。せいぜいのところ多くの奴隷が同時に書き写すという程度である。…
※「ユネスコ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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