改訂新版 世界大百科事典 「南木曾」の意味・わかりやすい解説
南木曾[町] (なぎそ)
長野県南西部,木曾郡の町。人口4810(2010)。木曾谷南端に位置し,西と南は岐阜県に接する。古くから木曾谷の要衝で,中心の三留野(みどの),南の妻籠(つまご)は江戸時代には中山道の宿駅として栄えた。漆畑は木曾谷唯一の木地屋集落である。飛驒山脈南端,木曾山脈西麓にあって,大部分が山林・原野である。中央を貫流する木曾川に沿ってJR中央本線,国道19号線が通じ,南部を西流する支流の蘭(あららぎ)川沿いに国道256号線が通じる。古くから盛んな木材産業を基盤にして農林業が営まれる。近年は観光地としても発展をみせ,馬籠峠北麓にある木曾十一宿の一つ妻籠は,妻籠宿保存条例の制定によってかつての家並みが復元・保存されて,地域全体が重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。北西部山地には高さ96mの天河滝など大小10余の滝のある田立ノ滝,柿其(かきぞれ)渓谷,南東部には富貴畑高原があり,多くの観光客が訪れる。
執筆者:萩原 毅
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報