( ①について ) 「土地の口合(くちあい)」を意味し、京坂で行なわれた「口合」に対し、享保(一七一六‐三六)の頃江戸で流行ったものを指すとされる。一説には「似口(じぐち)」で、似通った言葉の意ともされる。
江戸の言語遊戯の一種。庶民の口頭戯としての秀句の一種で、上方(かみがた)でいう「口合(くちあ)い」と同じである。享保(きょうほう)(1716~36)の中ごろから流行した。初めは文句中の二重語義化をねらった素朴単純なものであったが、のちには語呂(ごろ)合せと同じく、一つの文句が語勢で他の文句と通い合うものをもいった。「両替屋」という題に「一分(いちぶ)(秩父(ちちぶ))の庄司重忠」とつけるような地口付けに始まり、「九月朔日(ついたち)命はおしし(ふぐは食いたし命は惜しし)」「いなかざむらい茶みせにあぐら(死なざ止むまい三味線まくら)」のように、一文句全体として一貫した意味のある語句が、他の意義の文句の口吻(こうふん)にそのまま似ているものに変化した。地口遊戯の流行は、絵と関連させた絵地口や謎(なぞ)地口の流行を生み、明治まで及んだ。
[神保五彌]
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…〈humanité〉(人間性)と〈animalité〉(獣性)を合成した〈humanimalité〉(獣人性)というフランス製のカバン語もある。(11)地口 〈秀句〉〈口合(くちあい)〉〈洒落(しやれ)〉ともいい,〈言いかけ〉〈掠(かす)り〉〈捩(もじ)り〉なども同様の技巧をさす。英語のパンpunにあたる。…
※「地口」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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