原色版(読み)げんしょくばん

百科事典マイペディア「原色版」の解説

原色版【げんしょくばん】

凸版方式による多色印刷技術またはその印刷物。原稿を赤・緑・青紫のフィルターをかけて三原色に写真分解し,できた分解ネガを反転し,さらに網スクリーンを通して網ネガをつくる。この網ネガを感光液を塗った銅版に焼きつけ,腐食を行って印刷版をつくる。この版にそれぞれシアン(青)・マゼンタ(赤)・黄のインキをつけて1枚の紙に刷り重ねると,三原色の減法混色により完全に近い色に再現できるはずであるが,現実にはインキの濃度の差などによって色が片寄るので,その修正のために一般には版(黒)をつくり4色版とする。また色版のネガまたはポジに他のネガ・ポジをかぶせて色の強さの割合を平均化するためにマスキングを行う場合が多い。精巧度の要求される高級美術印刷などに用いる。→プロセス平版電子製版
→関連項目写真製版

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精選版 日本国語大辞典「原色版」の解説

げんしょく‐ばん【原色版】

〘名〙 カラーフィルムや絵画など色彩のある原稿を赤、黄、青、黒などの単色に分解した版を作り、それを刷り重ねることで、もとの色彩を再現したもの。または、その方法。雑誌の口絵、グラフ雑誌類、絵葉書、美術品の複製などに用いられる。原色刷り。〔新しき用語の(1921)〕

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世界大百科事典内の原色版の言及

【凸版】より

…凸版は,印判の例を見てもたやすく理解できるように,画線の面が非画線の面より高く,この間の高低差を利用して画線面のみにインキをつけて印刷するもので,これには非常に多くの種類がある。最も代表的なものは活版印刷で用いられる活版で,このほか,線画を印刷するために線画部分のみを凸にした線画凸版,写真など濃淡の階調のあるものを印刷するため,濃淡を凸状の点(網点という)の大小におきかえた写真版(網凸版),写真版の一種で,原画の白色部を強調するため白色部の網点を取り除いたハイライト版,同じく写真版の一種で,カラー印刷に用いる原色版などがこれに属する。 印刷インキを版面に選択付着させる平版や,不要のインキを版面から除去してから印刷する凹版などと異なり,凸版では,版面へのインキの付着は簡単で,このため印刷中に起こりうる画像のゆがみがなく安定した印刷が可能であり,また大部数を印刷する場合にも適している。…

※「原色版」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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