参商(読み)さんしょう

精選版 日本国語大辞典 「参商」の意味・読み・例文・類語

さん‐しょう ‥シャウ【参商】

〘名〙
① (正しくは「しんしょう」。参星(しんせい)商星の意で、参星は西、商星は東にあって遠く隔たっているところから) 互いに離れていて会うことのできないたとえにいう。
御伽草子二十四孝(室町末)「七歳生離母、参商(サンシャウ)五十年、一朝相見面、喜気動皇天
② 転じて、仲が悪いこと。〔布令字弁(1868‐72)〕

しん‐しょう ‥シャウ【参商】

[1] 参星(オリオン座三つ星)と商星(さそり座の三つ星)。
※常山文集(1718)七絶「遙望美人天一方、山川隔絶似参商
[2] 〘名〙 (西方にある参星と東方にある商星が遠く隔たって同時に見がたいところから) 親しい間柄の人が遠く離れて会うことのできないたとえ。〔曹植‐与呉質書〕

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普及版 字通 「参商」の読み・字形・画数・意味

【参商】しんしよう(しやう)

参星は西南、商星は東。遠くはなれたもの。魏・曹植〔呉季重に与ふる書〕面(あ)ふも景のやかなるり、別るるに參の闊(とほ)きり。

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故事成語を知る辞典 「参商」の解説

参商

別れ別れになった者同士が、なかなか再会できないことのたとえ。

[由来] 二~三世紀、王朝の時代中国詩人そうが書いた文章一節から。遠く離れた土地に赴任した友人に対して、「会っているときには時が経つのがとても速く感じられ、別れてしまうと、『参商のかつ(オリオン座の三つ星と、さそり座のアンタレスほどの隔たり)』を感じます」と述べています。「参」はオリオン座の三つ星、「商」はさそり座のアンタレスの中国での呼び名。この二つの星座は同時に空に現れることはありません。

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