日本大百科全書(ニッポニカ) 「反連邦派」の意味・わかりやすい解説
反連邦派
はんれんぽうは
Anti-Federalists
アメリカ合衆国憲法草案の反対者たちに対して、賛成者フェデラリストFederalists(連邦派)がつけた呼称。フェデラリストは、商工業的利益を代表して中央政府の権限を強化することを擁護したが、ジェファソンを中心とする反連邦派は、農業的利益を代表して主権をもつ諸邦の連合を主張した。反連邦派は憲法草案に対して、権利章典の欠如、大統領の独裁者化の危険を指摘して反対に努めたが、憲法はフェデラリストの主導のもとで成立した。この2派はアメリカ史上最初の政党となったが、反連邦派は自らをリパブリカンとよび、ジェファソンは第3代大統領として、連邦派にかわり政権の座についた。
[島川雅史]
『藤本一美著『アメリカ近代政党の形成』(1981・御茶の水書房)』