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叙事演劇 じょじえんげき Episches Theater

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

叙事演劇
じょじえんげき
Episches Theater

E.ピスカートルが提唱し,B.ブレヒトが引継いで独自に発展させた演劇論。感情よりもむしろ理性に訴える演劇。アリストテレス以来のドラマの概念は感情移入であり,観客を劇のなかの行動に,あるいは劇中の人物に同化させようとする意図をもって仕組まれてきた。

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世界大百科事典 第2版の解説

じょじえんげき【叙事演劇 Episches Theater[ドイツ]】

しばしば〈叙事的演劇〉とも訳される。なお,これを〈叙事詩(的)演劇〉と訳す場合もあり,言葉だけからいえばそのような訳も可能ではあるが,〈叙事詩〉の語が強く古典的な文学上の概念そのものを想起させるので,以下に述べるようなこの演劇理念の本意を考えるならば,〈叙事詩(的)演劇〉の訳語はふさわしいとはいえまい。 Episches Theaterという言葉は,1920年代に従来の感情移入に基づいた〈劇的〉な演劇では扱いきれぬ政治的な主題を扱うために,E.ピスカートルの叙事的要素への注目に刺激されたB.ブレヒトが,自己の演劇を特徴づけるために意識的に用いるようになったものである。

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世界大百科事典内の叙事演劇の言及

【ドイツ文学】より

…他方1920年代にブレヒトは,芸術的純粋詩の無効を宣告して,社会改革のために実効のある〈実用詩Gebrauchspoesie〉の重要性を主張したが,それ以後ハイネその他の詩風を継承する政治詩も多彩な展開をみせ,ナチス体制に踏みにじられた苦い経験のために,戦後はそれがいっそう根強く生き続けている。 演劇は,自然主義から表現主義へと移行する過程で,社会的現実を舞台の上で追究する試みがなされ,それをふまえてブレヒトの〈叙事演劇Episches Theater〉が成立する。観客を幻影の世界にひき入れるのではなく,観客に考える材料を提供して発見と認識へ刺激していくブレヒトの基本姿勢は,その後のドイツ演劇の中心的な柱となっている。…

【ドイツ文学】より

…他方1920年代にブレヒトは,芸術的純粋詩の無効を宣告して,社会改革のために実効のある〈実用詩Gebrauchspoesie〉の重要性を主張したが,それ以後ハイネその他の詩風を継承する政治詩も多彩な展開をみせ,ナチス体制に踏みにじられた苦い経験のために,戦後はそれがいっそう根強く生き続けている。 演劇は,自然主義から表現主義へと移行する過程で,社会的現実を舞台の上で追究する試みがなされ,それをふまえてブレヒトの〈叙事演劇Episches Theater〉が成立する。観客を幻影の世界にひき入れるのではなく,観客に考える材料を提供して発見と認識へ刺激していくブレヒトの基本姿勢は,その後のドイツ演劇の中心的な柱となっている。…

【舞台美術】より

…アメリカの舞台美術家ミールジナーJo Mielziner(1901‐76)は,紗幕による透明な装置でT.ウィリアムズの《ガラスの動物園》《欲望という名の電車》などの舞台をつくり,詩的な雰囲気をみなぎらせた。 ドイツの劇作家,演出家B.ブレヒトの作品は一般に,〈叙事演劇〉といわれているが,舞台表現も独自のものをつくり上げている。ベルリーナー・アンサンブルでの彼の仕事は世界的な評価を得たが,その一端は同劇団の舞台美術家の才能によるものであった。…

【ブレヒト】より

…なお,1926年には,初期の抒情詩の集大成である《家庭用説教集》も出しているが,このころから,社会機構の理解のために始めたマルクス主義の学習が,初期のアナーキーな立場を捨てさせることになる。 28年の《三文オペラ》の画期的な成功は,オペラの革新と劇における音楽の拮抗的な役割を考えさせることになるが,そういう関心と社会的な主題が結びついたのが一連の教育劇の試みであり,E.ピスカートルの政治演劇からも多くの刺激を得て,新しい世界像を獲得するための〈叙事演劇〉の構想を明確化していく。《三文オペラ》と同じくK.ワイルの作曲によって上演されたオペラ《マハゴニー市の興亡》(1929)の注にまずこの理論の輪郭が示される。…

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