古跡(読み)コセキ

精選版 日本国語大辞典 「古跡」の意味・読み・例文・類語

こ‐せき【古跡・古蹟】

  1. 〘 名詞 〙
  2. いろいろな物事や建物のあった古いあと。歴史上の遺跡。旧跡。
    1. [初出の実例]「毎事遵古迹、将供奉」(出典:続日本紀‐天平宝字四年(760)九月癸卯)
    2. 「鎌倉はただこせきばかり」(出典:黄表紙・見徳一炊夢(1781)中)
    3. [その他の文献]〔漢書‐溝洫志〕
  3. 古い墨蹟。
    1. [初出の実例]「吾那裏に一軸の古蹟あり」(出典:正法眼蔵(1231‐53)嗣書)
  4. 旧来の所領。
    1. [初出の実例]「且依常住不退之住僧、無他防領知之由、蒙御裁許者、彌励常住勇、欲古跡矣」(出典:東大寺文書‐三ノ七・建久八年(1197)一二月日・僧源慶解案)
  5. 江戸時代、寛永八年(一六三一)以前に建立された寺院をさしていう。それ以後建てられた新しい寺院を新地といい、幕府は元祿元年(一六八八)にその区別を行なったが、元祿五年(一六九二)には、新地も古跡として認め、以後新地の寺院の建立を禁じた。なお新地のうち、寛永八年から寛文八年(一六六八)に建立された寺院は、古跡並(こせきなみ)と呼んで区別する場合もあった。→古跡並
    1. [初出の実例]「寺院古跡新地之定書。寛永八辛未年起立之寺院は古跡」(出典:御触書寛保集成‐二一・元祿元年(1688)四月)

ふる‐あと【古跡・旧跡】

  1. 〘 名詞 〙 昔、ある物事のあったあと。また、その場所。きゅうせき。こせき
    1. [初出の実例]「荒小田の去年のふるあとのふる蓬いまは春べとひこばえにけり」(出典:曾丹集(11C初か))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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