可塑性(読み)かそせい

栄養・生化学辞典の解説

可塑性

 物体に力を加えて形を変えることすなわち歪みを作ったとき,力を取り除いても変形がそのままになる性質.ちすなわち永久ひずみが生じて物体の形や体積が変化する性質.力を取り除いたとき変形がもとにもどる性質は弾性という.

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

可塑性
かそせい
plasticity

単に性ということのほうが多い。固体が外力を受けたとき、その力がある程度以上になると、もはや弾性体としての性質を失ってしまい、永久ひずみを生じて連続的に変形するようになる。この性質を可塑性という。延性や展性などもこの塑性に属する。
 固体が外力を受けたときにおこるひずみは、ある限界までは外力を除くと、もとの状態に復する(つまり弾性である)。この限界を弾性限界というが、このときまでは固体の内部に外力と大きさが等しくて向きが正反対の力(応力という)が作用していて、固体の形状を保持しようとしている。ところが弾性限界を超える力がかかると、この内部からの応力は急激に減少してしまい、永久的な変形をさせることが可能となる。
 高分子物質の可塑性は、応用面できわめて重要な意義をもっている。たとえばポリスチレンなどは、熱と圧力の助けによって容易に成形が可能である。プラスチックといわれるのも本来は「可塑性物質」の意味で、このような合成高分子の塑性という特徴をよく表している。塩化ビニルのようにもっと硬質の合成高分子では、利用に適当な程度の塑性を得るために、ジオクチルフタレート(DOP)などを加えるが、この添加する薬品を可塑剤という。[山崎 昶]

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精選版 日本国語大辞典の解説

かそ‐せい【可塑性】

〘名〙 物体に弾性限界を越える力が加わった時に、その力が除かれても、物体に変形がそのまま残る性質。セルロイドなどに見られる。塑性。〔工学字彙(1886)〕
※春の雪(1965‐67)〈三島由紀夫〉六「夢とちがって、現実は何といふ可塑性を欠いた素材であらう」

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