台中(読み)タイチュウ

デジタル大辞泉 「台中」の意味・読み・例文・類語

たいちゅう【台中】

台湾中西部の都市2010年に台中県と合併して直轄市となる。米・サトウキビなどの産地タイチョン。タイジョン。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「台中」の意味・わかりやすい解説

台中
たいちゅう / タイチョン

台湾中西部の都市。台中盆地の中央に位置する。人口96万5790(2000)。旧称大墩(だいとん)(屯(とん))。1887年に台湾県が設けられ、日本領となった後の96年に台中と改称した。気候は温暖で年平均気温22℃、夏冬の温度差がわずか10℃で常春の地である。市街格子のごとく整然とし、緑川柳川市中を流れる。総合大学、単科大学が各3校、短大が7校あり、落ち着いた文化都市でもある。市の南東10キロメートルの霧峰に台湾省諮議会、23キロメートルの中興新村に台湾省政府があり、省政の中心地に隣接している。また南東80キロメートルの山中に有名な観光地日月潭(じつげつたん)がある。周辺の農村は豊かで、米、サトウキビのほか、バナナ、パイナップル柑橘(かんきつ)類の産地である。近年、商工業発展が著しく、北部郊外の潭子に台中輸出加工区が開設され、西20キロメートルの梧棲(ごせい)に台中(国際)港が完成するなど、台中は産業都市に向けて変容しつつある。

[劉 進 慶]

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改訂新版 世界大百科事典 「台中」の意味・わかりやすい解説

台中 (たいちゅう)
Tái zhōng

台湾西部のほぼ中央にある市。人口93万0175(1999)。付近は18世紀初め,清朝雍正年間(1723-35)から漢族による開拓が進み,大墩(だいとん)といった。1885年(光緒11)に台湾省が設けられた際,台中が省都となった。日本領時代には商業都市として発展したが,近年輸出工業の発展を目的とした工業加工区が設けられ,電子,機械,繊維,食品加工,製糖などの工業も行われる。付近の中興新村に台湾省庁,霧峰に省議会議事堂がある。東西横断道路をへて日月潭(じつげつたん)の観光地にいたる基地でもある。
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百科事典マイペディア 「台中」の意味・わかりやすい解説

台中【たいちゅう】

台湾の県名,市名。台中市は台湾西部,台中盆地中央部にある台湾第3の都市。近隣の南西岸に清代からの商港鹿港があるため早くから開墾が進み行政の中心地となった。縦貫鉄道の中枢をなし,付近に産する米,タバコ,砂糖,樟脳(しょうのう),バナナ等果物を集散するとともに,輸出工業が盛んである。国立中興大学,国立台中教育大学,東海大学などがある。なお台湾高速鉄道の台中駅は台中県烏日郷にある。台中県の人口270万1661人(2013)。

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