中国、唐代の歴史書。著者は劉知幾(りゅうちき)。景竜4年(710)の自序がある。20巻、内篇(ないへん)36篇、外篇13篇。駢驪(べんれい)体でつづられ、歯切れのよい四六文(しろくぶん)、論理は明快である。中国古来の史書の構成、叙述を縦横に評論し、周公、孔子(こうし)、司馬遷(しばせん)、班固(はんこ)らも容赦なく批判し、侮聖の書として非難された。古今正史篇には初めて中国史学史を展開し、疑古篇には堯(ぎょう)・舜(しゅん)・禹(う)の禅譲は簒奪(さんだつ)であったと断じている。そのためあまり読まれず伝承を絶っていたが、明(みん)の嘉靖(かせい)(1522~66)、万暦(ばんれき)(1573~1619)の間に宋板(そうはん)本が発見され、翻刻されて陸深本、張之象本、張鼎思(ちょうていし)本などができ、注釈には郭孔延(かくこうえん)の評釈、王惟倹(おういけん)の訓故、黄叔琳(こうしゅくりん)の訓故補、浦起竜の通釈などがあり、清(しん)代には紀昀の『史通削繁』が通行した。
[増井経夫]
『増井経夫訳『史通』(1981・研文出版)』
中国,唐代の歴史家,劉知幾(りゆうちき)(661-721)の著作。中国における最初の総合的な批判的史論として高く評価される。全体は内篇10巻36編(うち3編散佚),外篇10巻13編からなり,内篇では,古代から唐代までの史書に対し体裁,内容にわたってあらゆる角度から批判を加え,あるべき史書の姿を追求している。外篇にはおもに史官,史書の歴史および雑評があり,内篇の自説を補う形をとっているが,逸書の多い隋・唐以前の史学史を知るうえでも,貴重な資料を提供している。
執筆者:西脇 常記
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