吉草酸(読み)きっそうさん(英語表記)valeric acid

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

吉草酸
きっそうさん
valeric acid

バレリアン酸ともいう。不快臭をもつ有機酸。次の4種類の異性体がある。 n -吉草酸 CH3(CH2)3CO2H (沸点 186℃) ,イソ吉草酸 (CH3)2CHCH2CO2H (174℃) ,エチルメチル酢酸 (活性吉草酸) C2H5(CH3)CHCO2H (175℃) ,トリメチル酢酸 (ピバリン酸) (CH3)3CCO2H (163.7~163.8℃) 。イソ吉草酸が最も普通で,オミナエシ科カノコソウの根に含まれている。吉草酸エチルエステルは強い果実様香気を放つので,人工果実エッセンスとして利用されるが,市販品は異性体の混合物。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

吉草酸
きっそうさん
valeric acid

飽和鎖式カルボン酸の一つ。ペンタン酸ともいう。
 バレロニトリルの加水分解、またはn-アミルアルコール(1-ペンタノール)の酸化により調製される。不快なにおいをもつ無色の液体で、エタノール(エチルアルコール)やエーテルにはよく溶けるが、水にはわずかしか溶けない。酸としての性質を示し、水酸化アルカリや炭酸アルカリの水溶液には塩を生成して溶ける。また、アルコールと反応してエステルを生成する。生薬(しょうやく)の吉草根(きっそうこん)に含まれているのは、主として異性体のイソ吉草酸(CH3)2CHCH2COOHである。[廣田 穰]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

エミュー

ヒクイドリ目エミュー科。ダチョウに似た大型の飛べない鳥。オーストラリア固有種で,国鳥。全長 140~164cm,背丈 150~190cmで,雌のほうがやや大きい。翼は羽毛に覆われて見えないが,約 20...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

吉草酸の関連情報