悪臭防止法(読み)あくしゅうぼうしほう

精選版 日本国語大辞典 「悪臭防止法」の意味・読み・例文・類語

あくしゅう‐ぼうしほう アクシウバウシハフ【悪臭防止法】

悪臭から生活を守るための法律。昭和四六年(一九七一)六月公布。工場その他の事業場における事業活動にともなって発生する悪臭物質排出を規制することにより、生活環境保全し、国民の健康の保護に資することを目的とする。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「悪臭防止法」の意味・読み・例文・類語

あくしゅう‐ぼうしほう〔アクシウバウシハフ〕【悪臭防止法】

工場などから発生する悪臭を規制し、生活環境の保全、国民の健康の保護を目的とする法律。昭和46年(1971)施行。→臭気判定士

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「悪臭防止法」の意味・わかりやすい解説

悪臭防止法
あくしゅうぼうしほう

悪臭物質の排出を規制することにより生活環境を保全し国民の健康の保護に資することを目的とする法律(昭和46年法律第91号)。すべての悪臭について規定するのでなく、工場その他の事業活動に伴って発生する悪臭物質のうち22種類(アンモニアメチルメルカプタン硫化水素、硫化メチル(硫化ジメチル)、二硫化メチル、トリメチルアミンアセトアルデヒドプロピオンアルデヒド、ノルマルブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ノルマルバレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、イソブタノール、酢酸(さくさん)エチル、メチルイソブチルケトン、トルエンスチレンキシレンプロピオン酸、ノルマル酪酸(らくさん)、ノルマル吉草酸(きっそうさん)、イソ吉草酸)に限り、かつ知事が指定した地域において知事の定める規制基準に従って規制する。市町村長は、規制基準に違反する悪臭物質を排出する事業者に対して、悪臭物質を排出させている施設の運用の改善、悪臭物質の排出防止設備の改良、その他悪臭物質の排出を減少させるための措置をとるよう勧告し命令することができる。

[阿部泰隆]

『悪臭法令研究会編『ハンドブック悪臭防止法』4訂版(2001・ぎょうせい)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「悪臭防止法」の解説

悪臭防止法
アクシュウボウシホウ
Offensive Odor Control Law

工場や事業場における事業活動に伴って発生する悪臭物質の排出を規制し,国民の生活環境の保全と健康の保持を目的として,1971年に制定された法律.現在,アンモニア,メタンチオール,硫化水素,硫化メチル,トリメチルアミン,トルエン,スチレン,キシレンほか,各種アルデヒド類,有機酸など22種類が特定悪臭物質として定められている.一般に,大気中にガス,蒸気または気体コロイドの状態で存在し,住宅地域,商業地域・準工業地域,工業地域などにより濃度が定められている.規制基準は地域条件を考慮して,法律で定める範囲内で知事が定め,事業所の敷地境界線,排出口,排出水における濃度が規制対象となっている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「悪臭防止法」の意味・わかりやすい解説

悪臭防止法【あくしゅうぼうしほう】

工場その他の事業場における事業活動にともなって発生する悪臭物質の排出を規制する法律(1971年)。都道府県知事の指定する悪臭物質の排出規制地域,規制基準,悪臭の測定,事業場設置者に対する知事の改善勧告および改善命令等について規定している。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「悪臭防止法」の意味・わかりやすい解説

悪臭防止法
あくしゅうぼうしほう

昭和 46年法律 91号。工場その他の事業場における事業活動に伴って発生する悪臭物質の排出を規制することにより,生活環境を保全し,国民の健康の保護に資することを目的とする。都道府県知事は,規制地域を定め規制基準を定めることとされている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の悪臭防止法の言及

【悪臭】より

…またこれらに加えて定期的な臭気調査,モニターの依頼,公的機関との連携,地元民の事業場の見学と公害防止協定の締結などを実施することも必要である。
[悪臭防止法]
 昭和40年代に入って,産業活動に伴う悪臭が大きな社会問題となり,〈公害対策基本法〉でも悪臭が典型公害に含められ,1971年に〈悪臭防止法〉が制定された。〈悪臭防止法〉の適用は,工場・事業場活動に限られている。…

※「悪臭防止法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android