太陽の表面で,輝度が中央より周辺に向かうにつれて減少する現象。縁辺効果ともいう。可視光で見える太陽面のことを光球というが,これは半透明なガス体である。この光球では外側ほど温度が低くなっている。太陽面の中央を地球から見ると温度の高い光球の奥深くまで見通すことができ,その結果,高い輝度をもっているように観測される。一方,太陽面の周辺を観測すると,半透明なガス体を斜めから見ることになるために,奥深くまでは見通せず,温度の低い光球の外側の層を見る結果となり,低い輝度で光っているように観測される。したがって,逆に周辺減光の度合を調べることにより,光球層の中の温度分布を知ることができる。また,可視光の内では短い波長ほど周辺の減光が激しく,長い波長の赤い光に比べて,太陽大気内の吸収が多いことを示す。一般の恒星は点状としてしか見えないので周辺減光を観測的に見いだすことはできないが,相互に見え隠れする食変光星の場合には周辺減光のようすを求めることができる。
執筆者:平山 淳
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…また太陽面の明るさは中央部でもっとも明るく,周辺部で暗い。この現象を周辺減光といい,やはり上層が低温であることを意味する。光球の最下層の温度は6400K,最上層では約4300Kである。…
…事実,太陽は一様な明るさではなく,周辺に向かって暗くなっている。これを周辺減光と呼ぶ。このことから光球の中で温度がどのように分布しているかを知ることができる。…
…図1には太陽全面からの放射強度を示しているが,太陽面の各場所に分けて測定すると可視光では周縁部は中央部に比べて暗い。これを周辺減光という。周辺減光は最外層ほど温度が低いことを示す。…
※「周辺減光」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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