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朝鮮半島の最北部内陸の地方。朝鮮民主主義人民共和国に属し,1954年に咸鏡南道(咸鏡道)から分離して新設され,道都は恵山市。朝鮮最高峰の白頭山を境として,鴨緑江,豆満江を挟んで北に中国と接する国境地帯である。朝鮮の屋根とされる蓋馬(かいま)高原と茂山高原の一部を道域とし,平均高度は1000mをこえる。恵山の年平均気温は2℃,1月には-19℃に下がる酷寒の地である。李朝時代までは火田民が流浪するほどの僻地だったが,日本植民地時代に豊富な山林資源やマグネサイトなどの地下資源の開発のために恵山まで鉄道が敷かれ,高原各地に鉱山町や林業基地が発達した。独立後は恵山を中心に製紙,家具,繊維,機械など各種の工業が建設された。国内資源の最大限利用を国策とする共和国は,本道の自然資源開発に大きな力を入れており,その一環として恵山を中心とする交通網の整備を行っている。またかつて抗日武装闘争が展開されたため,革命の聖地とされている。
執筆者:谷浦 孝雄
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北朝鮮の北西部にある道。鴨緑江(おうりょくこう)を隔て、中国と国境を接している。1954年新設された道である。面積約1400平方キロメートル。行政区画は1市(恵山)、10郡。道所在地は恵山市。地形は朝鮮半島の最高峰白頭山(2750メートル)と蓋馬(かいま)高原が全道にまたがり、平均高度1000メートル以上の高地である。しかし起伏が少ないので、傾斜15度以下の地域が40%以上を占めている。白頭火山脈、摩天嶺(まてんれい)山脈、北水白山脈、蓮花(れんか)山脈がほぼ北から南へ走り、赴戦嶺(ふせんれい)山脈が西南西に道境を界しながら走っている。高地帯で、平均気温が4℃と低く、年降水量も600ミリメートル内外で少ない。両江道の産業は山林資源による林業および木材加工業が主である。原木生産は国内総生産の40%を占めている。その主産地は輸平、延岩、太平、三池淵(さんちえん)などである。木材加工業は輸平、豊山、延岩で行われている。地下資源は甲山、雲興、南渓の銅、豊山の鉄鉱、恵山の無煙炭、白岩のマグネサイトなどが採掘されている。農業は耐寒性作物が主でジャガイモ、亜麻(あま)、ホップを産出し、山地高原地方ではメンヨウ、ウシの牧畜のほか養蜂(ようほう)が行われている。
[魚 塘]
「リャンガン(両江)道」のページをご覧ください。
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