沖縄県中頭郡(なかがみぐん)にある町。沖縄本島南西部にあり、第二次世界大戦前は北谷(ちゃたん)村であったが、嘉手納アメリカ軍基地に分断され1948年(昭和23)分離村制。1976年町制施行。東シナ海に面し、全体的に平坦(へいたん)な地形。国道58号が海岸部を走る。第二次世界大戦前は県鉄道の終点で交通の要所、農林学校や製糖工場などもあり、中頭郡の中心でもあった。現在、町域の82.0%(2022)がアメリカ軍基地(嘉手納空軍基地)で、残りの町域は全国有数の超過密地域となり、第三次産業が中心。中国からサツマイモを伝来した野国総管(のぐにそうかん)の墓がある。面積15.12平方キロメートル、人口1万3521(2020)。
[堂前亮平]
『『嘉手納町史』(1983~ ・嘉手納町)』
沖縄県中頭(なかがみ)郡の町。人口1万3827(2010)。沖縄島(本島)中部西海岸にあり,全体的に平たんな地形からなる。第2次世界大戦前は農村地域であったが,県営鉄道嘉手納線(沖縄戦で破壊され,消滅)の終点で,農林学校,製糖工場,警察署などがあり,郡の文化・経済・教育の中心でもあった。沖縄戦の際,旧日本陸軍が建設した中(なか)飛行場は,1945年アメリカ軍に占領されて拡張され,嘉手納基地となった。基地は嘉手納町,北谷(ちやたん)町,沖縄市にまたがる約20km2を占め,アメリカ空軍太平洋航空軍団の中枢基地となっている。基地の建設が本格化すると嘉手納の人口も増大した。現在,町域の83%を基地が占め,残された約2.2km2に住民が居住し,全国有数の超過密地域となっている。基地経済依存度は高いが,一方ではジェット機騒音,燃料流出事故など被害も大きい。中国からカンショを伝えた野国総管の墓がある。
執筆者:堂前 亮平
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