早歌(そうが)(宴曲)の曲名。賀部に属する代表曲。《撰要目録》に作者名の記載はないが,明空(みようくう)の作詞,作曲によるといわれる。1301年(正安3)以前に成立の《宴曲集》巻二に所収。譜本は,尊経閣文庫,横道万里雄,神宮文庫などが所蔵。また三千院蔵の《宴曲集》巻一の追加二丁分の中にも所収される。〈嘉辰令月の曇り無き〉の句で始まり,優曇(うどん),浜木綿(はまゆう),浜荻,尾上の松や,玉津島,熊野,伊勢,高砂など,めでたい植物や地名がおりこまれている。比較的短い曲だが,漢文,散文,韻文が混交した変化に富む文体である。〈乙〉と称する高音域で,はなやかに歌い出し,全曲を通じて,四拍子から成る只地(ただじ)のリズムを基礎として,サクサクと歌われたものと考えられる。
執筆者:蒲生 美津子
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