四ッ足峠(読み)よつあしとうげ

日本歴史地名大系 「四ッ足峠」の解説

四ッ足峠
よつあしとうげ

国道一九五号の木頭村と高知香美かみ物部ものべ村境に位置する峠。県境(国境)をなすことから、傍示ぼうじ峠ともよばれる。標高約一〇三〇メートル。峠名は県境に位置する四ッ足堂にちなむ。四ッ足堂には地蔵尊と思われる石像が祀られ、明治四一年(一九〇八)刊のの「阿波名勝案内」には「一間四面の萱葺の小堂あり、行基菩薩の作なりと云ふ。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「四ッ足峠」の意味・わかりやすい解説

四ツ足峠
よつあしとうげ

徳島県那賀(なか)郡那賀町木頭(きとう)地区と高知県香美(かみ)市物部(ものべ)との境界にある峠。峠名は県境にまたがって立つ四つ足堂にちなむ。地蔵堂ともよばれる四つ足堂は、行基(ぎょうき)の創建とも伝えられ、江戸時代に阿波(あわ)、土佐両国により改築されたという。現在は峠下の四ツ足峠トンネルを国道195号が通じている。なお、徳島県の那賀町木頭地区などサンブン(山分)とよばれる地域には、四つ足堂とよぶ氏堂(うじどう)が集落ごとにあり、村人の集会所となっていて宗教行事なども行われる。

[高木秀樹]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「四ッ足峠」の意味・わかりやすい解説

四ツ足峠
よツあしとうげ

徳島,高知の県境の峠。名称は県境にまたがって建つ地蔵尊を祀る小堂があり,これを四ツ足堂と呼ぶところからくる。林業地帯を結ぶ峠で,土佐中街道 (→土佐街道 ) が通る。かつては徳島県の那賀川と高知県の物部川分水嶺をなす石立山 (1708m) 山腹の,難所の峠として知られていたが,現在ではトンネルが開通して,両県間の物資交流は容易になった。近くに白瀬峡,高ノ瀬峡,高知県側の別府 (べふ) 峡谷など,紅葉景勝地が多い。

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