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回勅 かいちょくEncyclica; papal encyclical

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

回勅
かいちょく
Encyclica; papal encyclical

ローマ教皇が全世界または特定国の司教,信徒にあてたカトリック教会の指針を示す公的書簡。内容は教義,司牧方針,社会問題など多岐にわたる。なかでも社会問題に関するもの (社会回勅) は欧米を中心に大きな社会的影響力をもつ。労働者の人権を擁護したレオ 13世の「レールム・ノバールム (社会再建の回勅または労働回勅) 」 (1891) ,世界平和と世界政治共同体の確立を訴えたヨハネス 23世の「パーチェム・イン・テリス (地上の平和) 」 (1963) ,南北問題に関するパウルス (パウロ) 6世の「ポプロールム・プログレシオ (諸民族の進歩) 」 (67) などが有名。社会回勅の場合,カトリックのみならずすべての善意ある人々をも対象として出されるのが最近の傾向である。

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デジタル大辞泉の解説

かい‐ちょく〔クワイ‐〕【回勅】

ローマ‐カトリック教会で、教皇が全教会の司教または信者にあてて、教会全体の重要問題について書き送るラテン語の手紙。回章

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百科事典マイペディアの解説

回勅【かいちょく】

ローマ教皇が,司教を通じて信徒全体に伝える文書。〈回章〉ともいい,ラテン語でLitterae encyclicae。内容は神学から社会問題にまで及ぶ。ラテン語で出され,冒頭の2〜3語をもってその回勅の名称とするのが慣例。

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世界大百科事典 第2版の解説

かいちょく【回勅 Litterae encyclicae[ラテン]】

カトリック教会用語で,ローマ教皇が司教を通じて信徒全体に伝える文書。むかし,その使者が馬で各教区を回ったことから,この名称ができた。回章ともいう。通常ラテン語で出され,その冒頭の2,3語をもってその回勅の名称とするならわしである。また同時に,しばしば近代語の公訳が付されて発行される。回勅は今日では《聖座公報Acta Apostolicae Sedis》により公布される。その教導権威は内容により異なり,不可謬的教理決定に回勅の形式がとられることはまれである。

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大辞林 第三版の解説

かいちょく【回勅】

ローマ教皇が全世界の司教に発する組織上・信仰上・教義上の問題についての通達。 → 教書

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

回勅
かいちょく
EncyclicaLitterae encyclicaeラテン語
EncyclicEncyclical英語
Enzyklikaドイツ語

ローマ教皇が全世界のカトリック者にあて、信仰または道徳の問題に関し権威ある指針を表明する際の書簡の形式をいう。ときとして社会問題や平和の問題に関し、全世界の善意の人々すべてに訴えかける場合もある。たとえば、1963年ヨハネス23世の『地上に平和を(パーチェム・イン・テッリス)』Pacem in terrisのアピールがそれである。
 社会・経済問題に関してカトリックの理念から指針を表明したものとしては、レオ13世の『レールム・ノバールム』(1891)とピウス11世の『クワドラジェシモ・アンノ』(1931)が有名で、社会回勅とよばれる。回勅は普通ラテン語で書かれ、近代語の公訳が付され、その最初のことばが回勅のタイトルとなる。回勅は、一般的にはカトリック信者の信仰と道徳を守り、その一致を保持するための重要な媒体とみなされている。しかし、20世紀になって二つの回勅に関連して注目すべき論議が生じた。一つは、1950年にピウス12世が出した『フマニ・ジェネリス』Humani generisであった。そこで教皇は、「論議中の問題に回勅がある指針を与えた場合、もはや神学者は自由に議論してはならない」と付け加えた。しかし、第二バチカン公会議(1965)は最終草案からこの文面を削除した。二つ目は、人工的避妊方法を反自然として退けたパウルス6世の『フマーネ・ビテ』Humanae vitae(1968)に関し、今日では回勅の権威を一般化するよりは個々の理非曲直によって判断されるべきであるとされている。[越前喜六]

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