ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピウス11世」の意味・わかりやすい解説
ピウス11世
ピウスじゅういっせい
Pius XI
[没]1939.2.10.
教皇 (在位 1922~39) 。本名 Ambrogio Damiano Achille Ratti。 1879年司祭。多くの図書館長を歴任。古文書学の権威。 1918年ポーランドへの教皇使節。 21年ミラノ大司教,枢機卿。 29年イタリア政府とラテラノ条約を結んでバチカン市国の法的地位を確立し,教会の役割を明確化した。メキシコ,ドイツとも政教条約を結んだが,ドイツとのそれが破棄されるや,37年ナチスを非キリスト教的と非難。共産主義を教会の最大の敵とみてスペインではフランコを支持したが,ムッソリーニの反ユダヤ運動が起るとこれを非難した。 31年の回勅「クァドラジェシモ・アンノ」は社会,経済問題の基本を確立した。
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