ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピウス12世」の意味・わかりやすい解説
ピウス12世
ピウスじゅうにせい
Pius XII
[没]1958.10.9. カステルガンドルフォ
教皇 (在位 1939~58) 。本名 Eugenio Maria Giuseppe Giovanni Pacelli。 1899年司祭。 1901年教皇庁国務聖省に入り,17年サルディスの名義大司教。 29年枢機卿。 30年国務聖省長官。登位早々第2次世界大戦が勃発,平和への努力を続けてイタリアの参戦を遅らせた。 42年以後のナチスのユダヤ人迫害には非難を加えたが,いずれの陣営にもかたよらない態度をとったため,のちにカトリック信徒からも不徹底と批判された (→神の代理人 ) 。イタリアのユダヤ人狩りの際,教会の施設を開放して彼らをかくまった。大戦末期には共産主義の脅威を訴え,48年カトリック・アクションを結成。 49年共産党員となったイタリアの信徒を破門。夕べのミサを復活し,聖務日課を改訂。 50年マリア被昇天の信仰を教理とした。宣教地の現地人司祭登用を促進。司牧活動を愛し多くの人々に語りかけ,教皇として初めてラジオを活用した。
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