国家破産(読み)コッカハサン(英語表記)state bankruptcy
repudiation

デジタル大辞泉 「国家破産」の意味・読み・例文・類語

こっか‐はさん〔コクカ‐〕【国家破産】

国家債務履行不可能になった状態。主に支払期日のきた国債元金利子との全部または一部を支払わないことにいう。

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精選版 日本国語大辞典 「国家破産」の意味・読み・例文・類語

こっか‐はさんコクカ‥【国家破産】

  1. 〘 名詞 〙 広義には、国家が債務の全部または一部について履行できなくなった状態。狭義には、公債の元金と利子の全部または一部の支払いができなくなった状態。また、公債の支払義務を拒絶すること。〔国民百科新語辞典(1934)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「国家破産」の意味・わかりやすい解説

国家破産 (こっかはさん)
state bankruptcy
repudiation

国債破棄ともいう。国家がその負担する公債利払いおよび償還の義務の一部または全部を履行しないことをいう。一般に,公債発行によって財政資金が調達されても,その元利払いは将来の税等の経常収入によって負担されねばならない。国家がその負担を免れるために,非常の財政措置としてその義務を履行しないのが国家破産である。たとえば,戦争等のために巨額の公債発行がなされた場合,戦後もながい期間に重い公債費の負担がおしかかってくる。財政事情等からそれに耐えられないときに,このような措置がとられることになる。公然たる国家破産は,1918年に帝政ロシア公債について行われたのが顕著な事例であり,革命による政権交代を背景にしている。しかし,こうした公然たる国家破産はまれで,むしろ〈かくれた〉国家破産が行われてきた。つまり,インフレーションの過程を通じて,確定債務である公債の元利額の実質上の減価が生じ,国家は公債費のための財政負担を大きく免れえたのである。第1次大戦後のドイツ,第2次大戦後の日本をふくむ敗戦諸国では,この〈かくれた〉国家破産によって,公然たる国家破産なしに,巨額の戦争公債を事実上償却してしまったのである。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国家破産」の意味・わかりやすい解説

国家破産
こっかはさん

国家が自己の債務の一部または全部を放棄することをいう。具体的には,国債の元金切捨て,利子の切捨てないしは延期などで,国債に関する義務の履行を放棄する場合である。こうした手段は,戦争,内乱,革命などの財政窮迫時にしばしばとられてきたが,その代表的事例としては,フランスの大革命期やロシアの社会主義革命による国債破棄があげられる。またこのような直接的な国債破棄のほかに,インフレーションの高進による国債の事実上の破棄も国家破産の一種と考えられ,第1次世界大戦後のドイツや第2次世界大戦後の日本などの場合は,その例といえよう。

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