国民健康・栄養調査(読み)こくみんけんこうえいようちょうさ

共同通信ニュース用語解説 「国民健康・栄養調査」の解説

国民健康・栄養調査

生活習慣病対策などの基礎資料にするため、健康増進法に基づき厚生労働省毎年実施している。調査項目は身長体重血圧腹囲などの身体的データと、食事の摂取状況や飲酒喫煙睡眠運動など幅広い。喫煙率のように毎年調査する基本項目の他に、社会状況に応じて数年おきに質問する重点項目がある。1952年に国民栄養調査として始まり、2003年の健康増進法施行を機に現在の名称になった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「国民健康・栄養調査」の意味・わかりやすい解説

国民健康・栄養調査
こくみんけんこうえいようちょうさ

国民の身体や生活習慣の状況、食生活や栄養摂取量を把握し、健康増進につなげるため、厚生労働省が毎年実施している調査。健康増進法(平成14年法律第103号)に基づく。国民健康・栄養調査の始まりは1945年(昭和20)に行われた国民栄養調査で、第二次世界大戦後に世界各国からの食料援助を受ける基礎情報を準備するために実施された。

 調査は調査年の国民生活基礎調査で設定された単位区から、層化無作為抽出によって選ばれた全国300地区より、約6000世帯のおよそ1万8000人を対象に行われる。調査内容は三つに区分されている。(1)身体(身長、体重、腹囲、血圧測定、血液検査)。(2)栄養摂取(食品摂取量、栄養素等摂取量、欠食や外食などの食事状況)。(3)生活習慣(食生活、身体活動・運動、休養と睡眠、飲酒、喫煙、歯の状態など、生活習慣全般)。各地区を管轄する保健所によって実際の調査が行われる。

 2011年(平成23)11月に行われた調査結果によると、10年前の結果と比較し、すべての年齢層で魚介類の摂取量が減少する一方肉類は増加し、日本人の肉食化が顕著に進んでいることがわかった。また、厳しい経済環境を反映して価格が高いなどを理由に、野菜類と果物類については、全年齢層で摂取量が減少した。日本人の食生活全般に、生活習慣病の発症リスクが高まる傾向が表れた結果となっている。

[編集部]

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