国立大学法人法に基づいて設置された、大学共同利用機関法人人間文化研究機構を構成する研究機関。千葉県佐倉市の佐倉城址(じょうし)に所在する、歴史・考古・民俗学分野の博物館機能をもつ研究・教育機関である。学術研究の発展と、資料の公開を通じた市民に対する教育活動を推進するために、1981年(昭和56)に設置され、1983年開館。2004年(平成16)に法人化され、人間文化研究機構の構成機関となった。英語名はNational Museum of Japanese History、略称は「歴博(れきはく)」。初代館長は井上光貞(いのうえみつさだ)。
国立歴史民俗博物館の機能は以下に記述する通り、多岐に及ぶ。歴史資料・情報の収集、整理、保存、調査研究を担い、市民や研究者への提供(展示、出版、データベース)、さらには大学共同利用機関として多様な共同研究を国内外の研究者との連携のもとに行っている。また総合研究大学院大学文化科学研究科の日本歴史研究専攻課程をもち、次代を担う研究者の育成にも努めている。
常設展示室は、第1展示室(原始・古代)、第2展示室(中世)、第3展示室(近世)、第4展示室(民俗)、第5展示室(近代)、第6展示室(現代)と、計六つある。これらの展示室は、最新の研究成果や変動する現代社会を反映させるため、2008年より、順次リニューアルをしている。また企画展示室では、期間を限って「アジアの境界を越えて」(2010)や「大ニセモノ博覧会―贋造(がんぞう)と模倣の文化史―」(2015)など、ユニークな企画展示が行われてきた。
[落合知子 2018年5月21日]
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歴史学・考古学・民俗学の3分野の協業を通じて,日本の歴史と文化を総合的に究明する目的で,調査研究活動や資料収集を行う博物館。明治百年記念事業として千葉県佐倉市の佐倉城跡に建設され,1983年(昭和58)3月開館。当初文化庁の付属機関として設立が予定されていたが,初代館長井上光貞の努力で国立大学共同利用機関に変更され,国立民族学博物館と同様,研究博物館となって81年に設置された。展示には実物資料のほか復元模型や複製が利用され,ビデオや展示解説シートなども活用している。99年には総合研究大学院大学日本歴史研究専攻を設置。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域遺産」事典 日本の地域遺産について 情報
…一定の地域の歴史と民俗についての史資料を収集・研究して一般に公開する博物館。日本には,文部省直轄の機関として国立歴史民俗博物館があり,ほかに各地に〈郷土史料館〉〈民俗資料館〉などとよばれる公立・私立のその種の施設が多数ある。また欧米各国にも歴史上の遺物・文書や民族・民俗資料を展示する,国立その他の博物館が多く,なかでもベルリンのドイツ民俗博物館Museum für Deutsche Volkskunde(1889創設)が名高い。…
※「国立歴史民俗博物館」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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