国際流動性(読み)こくさいりゅうどうせい(英語表記)international liquidity

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

国際流動性
こくさいりゅうどうせい
international liquidity

世界全体の貿易額または対外支払額に対する支払準備の比率をいう。金融の流動性とは,取引の決済に用いることのできる金融資産をさし,最も流動性の高い資産は貨幣である。したがって国際流動性とは,国際間の決済に用いることのできる金融資産をさすことになるが,広義には民間の貿易取引などのための決済手段をも含むものであり,貿易信用のような民間短期資金もこれに入る。狭義には,国際収支赤字の決済という意味であり,通貨当局が保有する対外支払準備 (→外貨準備 ) をさして用いられることが多い。

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デジタル大辞泉の解説

こくさい‐りゅうどうせい〔‐リウドウセイ〕【国際流動性】

輸入額ないしは為替支払額と、金・外貨SDRなどの対外支払準備保有額との比率。一般には一国または世界全体の対外支払準備そのものをさす。

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百科事典マイペディアの解説

国際流動性【こくさいりゅうどうせい】

世界全体あるいは各国ごとについて,輸入など対外決済のために必要な外国為替支払額との見合いで考えた対外支払準備の保有額。この保有額が必要額に比べて相対的に多ければ,国際流動性は高く,貿易拡大の余地があることになる。1960年の米国のドル防衛以来,国際流動性増大の対策が論じられ,既存の金,米ドルのほかにIMF特別引出権(SDR)が設けられた。現在では外貨準備,金,SDRなどの対外支払準備そのものを国際流動性ということも多い。

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世界大百科事典 第2版の解説

こくさいりゅうどうせい【国際流動性 international liquidity】

国家間における債務の最終的な決済手段として一般的に受領され,また対外決済のための公的準備として保有されるような流動資産を指し,通常は通貨当局の保有する金および外国為替とSDR保有額ならびにIMFにおける準備ポジションを含むものと定義される(〈外貨準備〉の項参照)が,広義には民間が保有する流動的外貨資産や通貨当局の借入能力等を含めることもある。IMFからの条件付き借入可能額を条件付き流動性と呼ぶのはその一例である。

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大辞林 第三版の解説

こくさいりゅうどうせい【国際流動性】

国際的な決済に利用できる政府および中央銀行の保有資産。金あるいは金に近い流通力をもった貨幣が多いほど流動性は高くなる。具体的には金、外貨準備、 SDR など。各国ごとについて、または世界全体についていう。

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精選版 日本国語大辞典の解説

こくさい‐りゅうどうせい ‥リウドウセイ【国際流動性】

〘名〙 貿易などの国際決済を円滑に行なうために必要な外貨の準備保有額と対外支払額の割合をいう。保有額の方が多ければ、流動性が豊かだといえる。現在では、対外支払準備そのものをいうことが多い。

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世界大百科事典内の国際流動性の言及

【外貨準備】より

…一国の通貨当局が国際収支の赤字を決済し,または外国為替市場へ介入するために容易に利用できる流動的な資産をいう。IMF(国際通貨基金)の統計では国際流動性international liquidity,また日本の統計では外貨準備高と呼ばれ,概念的には同じものであるが,通貨当局の金保有分の評価のしかたにより計数が異なることがある。外貨準備に含められる金融手段は,通貨当局が使用の必要を感じた際に直接的かつ効果的に管理できる現存の資産に限られ,通貨当局の保有する金および外国為替と,SDR(IMFの特別引出権)保有額ならびにIMFにおける準備ポジションを計上するのが普通である。…

【SDR】より

…ここで注意すべきは,ドル危機の認識についてアメリカと欧州諸国とで大きく異なっていたことである。アメリカはドルに対する信認の低下を認めず,むしろ国際通貨問題の中心は国際流動性の供給方法の改善にあると主張した。これに対し欧州諸国は,ドルの危機の原因をドルに対する信認の低下に求めた。…

【外貨準備】より

…一国の通貨当局が国際収支の赤字を決済し,または外国為替市場へ介入するために容易に利用できる流動的な資産をいう。IMF(国際通貨基金)の統計では国際流動性international liquidity,また日本の統計では外貨準備高と呼ばれ,概念的には同じものであるが,通貨当局の金保有分の評価のしかたにより計数が異なることがある。外貨準備に含められる金融手段は,通貨当局が使用の必要を感じた際に直接的かつ効果的に管理できる現存の資産に限られ,通貨当局の保有する金および外国為替と,SDR(IMFの特別引出権)保有額ならびにIMFにおける準備ポジションを計上するのが普通である。…

※「国際流動性」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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