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国際競争力を支える部材供給環境 こくさいきょうそうりょくをささえるぶざいきょうきゅうかんきょう

知恵蔵の解説

国際競争力を支える部材供給環境

1950年代、日本の工業製品は国際市場に進出し始め、外貨の獲得に貢献したが、当時“made in Japan"は「安かろう、悪かろう」の代名詞と言われた。その後も、日本の製造業は経済成長を牽引し、外貨獲得に最大の貢献をしている。しかし、時代は変わり、今や“made in Japan"は最高の品質をイメージさせるものとなっている。2005年5月に公表された『ものづくり白書』には、この日本の製造業の強みが詳細に分析されている。 かつて、製造業の事業段階別の利益率は、パソコン製造などで典型的に見られる図1のように、研究、開発・設計・試作から製造・組立に進むにつれ低下し、アフターサービスにかけてまた上昇するという特徴、いわゆる『スマイルカーブ』になるとされた。この考え方に従って、80年代には、利益率の低い製造・組立は人件費やインフラコストなどの安い地域で生産すべきと、日本製造業の生産拠点は中国、ASEANなど海外への移転が進められ、国内生産の空洞化が問題視された。 しかし、近年では製造部門の日本本国への回帰がなされ、新設工場の立地や設備更新が高い率で進行している。その裏付けとして、現在の日本の製造業では図2のように、最も利益率の高い工程は製造・組立で、販売がそれに次ぐという、スマイルカーブとは逆の状況にある。その大きな要因は、市場が近くそのニーズの反映がしやすいことに加え、高度な部材供給環境の存在がある。それは、高度な材料の供給に加え、設計の選択肢の拡大、精度の高い多様な加工性が可能になり、ニーズに合った熱処理などの付加的品質向上や保証策が組み込まれるからだ。つまり、これらはメーカーとユーザーの摺り合わせを可能とするインテグラル(総体的)な製造環境が保証されたことに由来するといえるだろう。(徳田昌則)

(徳田昌則 東北大学名誉教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

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