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土砂災害防止法

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

土砂災害防止法

斜面崩壊などが起きると住民らの生命に危害が生じるおそれのある「警戒区域(イエローゾーン)」、著しい危害が生じるおそれのある「特別警戒区域(レッドゾーン)」を都道府県が指定。イエローゾーンは災害情報の伝達や避難が早くできる態勢づくりなどを市町村に、レッドゾーンは、宅地開発の許可制や建築物の構造規制などを都道府県などに、それぞれ義務づけている。

(2016-07-18 朝日新聞 朝刊 1総合)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

土砂災害防止法
どしゃさいがいぼうしほう

土砂災害の危険周知や避難体制の整備を目的とする法律。1999年(平成11)、広島市を中心に死者・行方不明者32人を出した豪雨・土砂災害をきっかけに2001年(平成13)に施行された。正式名称は「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」(平成12年法律第57号)。土砂災害には、山の斜面傾斜が30度以上で、自然崩壊する「急傾斜地の崩壊(崖(がけ)崩れ)」、山腹が崩れて土や石などが流れ出す「土石流」、地下水などが原因で土地の一部が滑る「地滑り」、の3タイプがある。都道府県は土砂災害防止法に基づき、この3タイプの土砂災害の危険がある地域を「警戒区域」に指定。指定された区域の自治体は危険箇所を記した土砂災害ハザードマップの作成・配布などで周辺住民へ危険を周知し、避難体制を整備する。とくに著しく警戒が必要な地域は「特別警戒区域」に指定し、住宅建設などを規制し、補助制度で住宅撤去や転居を促す。警戒区域は「イエローゾーン」、特別警戒区域は「レッドゾーン」とよばれ、特別警戒区域には建築制限や移転勧告が出ることもある。
 国土交通省が公表している土砂災害危険箇所は全国に52万5307か所あるが、このうち警戒区域や特別警戒区域に指定された地域は2014年7月末時点で35万4769か所と全体の67.5%にとどまっており、3分の1は未指定である。また土砂災害防止法の施行以来、補助制度を利用して転居した事例は8県57件にとどまる。警戒区域や特別警戒区域に指定されると、土地や家の資産価値が下がる場合が多く、とくに特別警戒区域は宅地の開発や売買に都道府県知事の許可が必要になる。このため区域指定に反対する地域も多く、これが警戒区域や特別警戒区域の指定の遅れにつながっている。2014年8月には、広島市北部で死者・行方不明者74人という平成に入って最大規模の土砂災害が起きた。このため政府は同年秋の臨時国会に、都道府県が警戒区域・特別警戒区域への指定をしやすくする土砂災害防止法改正案を提出し、11月に可決・公布された。改正法は警戒区域指定のための基礎調査が終わりしだい、災害リスクが高い箇所の公表を義務づけ、周辺住民への周知徹底を求めている。また基礎調査を行っていない都道府県に対し、国土交通大臣が是正を求める権限を盛り込んだ。都道府県が「土砂災害警戒情報」を発表した際に、都道府県が市町村へ通知することおよび住民へ周知することを義務づけている。[編集部]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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