在宅ケア(読み)ザイタクケア

デジタル大辞泉 「在宅ケア」の意味・読み・例文・類語

ざいたく‐ケア【在宅ケア】

寝たきり老人独居老人・長期療養患者心身障害者など、社会的援護を必要とする人々に対して、施設に収容せず在宅のままで福祉医療サービスを提供すること。在宅福祉

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精選版 日本国語大辞典 「在宅ケア」の意味・読み・例文・類語

ざいたく‐ケア【在宅ケア】

  1. 〘 名詞 〙 ( ケアは[英語] care ) 社会的な援護を必要とする老人病人などに対して、施設に入れずに在宅のままで福祉・医療サービスを提供すること。

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百科事典マイペディア 「在宅ケア」の意味・わかりやすい解説

在宅ケア【ざいたくケア】

在宅福祉サービスの一つで,家庭において行われる介護サービスのこと。病院,長期療養施設,老人ホームなどで行われる〈施設ケア〉に対して使われる言葉。対象となる患者は,おもに慢性疾患をもつ虚弱および介護を必要とする高齢者および障害者で,常時医療の管理下におく必要のない者。 1990年以降,厚生省が高齢化社会に向けてスタートさせたゴールドプランの推進や,医療保険制度の規制緩和によって,在宅でインシュリンの投与や在宅酸素療法が可能になったことから,在宅ケアに対する期待が急激に高まっている。 在宅ケアを可能にするには,家族の介護力および協力が得られること,リハビリテーションの効果が期待できること,訪問看護体制が整っていること,医師看護婦たちの支持体制が得られることなどの条件が整う必要がある。高齢者や障害者の自立性・社会性を維持するためには,施設ケアよりも在宅ケアが望ましいとの考えから在宅ケア支持者は多いが,これらの条件が整わない環境では,一概に在宅ケアがよいとばかりはいえない。施設ケアと在宅ケアの両面の体系的整備,地域ケア体制の確立が急がれる。 介護サービスの種類には,ホームヘルプサービスホームヘルパーが各家庭を訪問し,介護・家事の援助をしたり,相談にのったりするもの),ショート・ステイ(在宅ケアの効果を高める目的や一時的に家族が世話ができなくなった場合に,短期間,施設ケアを提供するもの),デイサービス,訪問看護サービス(訪問看護ステーションから派遣された看護婦などが,各家庭を訪問し,病状の観察,介護指導などを行うもの),在宅介護支援センターなどがある。また,末期癌(がん)患者等で,本人が家で死を迎えたいと願望し,家族も家で最後まで世話することを希望したときに,在宅で行われる末期医療を〈在宅ターミナルケア〉という。 通常の在宅ケアは,おもに日中に限定されているため,深夜の介護を強いられる家族の負担には多大なものがある。これを少しでも軽減するために,1994年から,夜間・早朝にかかわらず,訪問看護婦とヘルパーが一緒に家庭を巡回する〈24時間対応型在宅ケア〉が,厚生省のモデル事業としてスタートした。全国27ヵ所の訪問看護ステーションで実施されている。 最近では,在宅ケアにインターネットコンピューター・ネットワーク,マルチメディア技術などを利用しようという動きも見られる。
→関連項目ソーシャル・ワーカー

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家庭医学館 「在宅ケア」の解説

ざいたくけあ【在宅ケア】

●望ましい在宅医療とは
 いろいろなアンケート調査では、自分ががんの末期状態になった場合は、自宅で最期を過ごしたいと答える人が圧倒的に多いのですが、現実には、約8割の人が病院で死を迎えています。
 理由の1つには、介護(かいご)に専念できる家族がいない、住宅が狭く病室を整えられないなどの事情が考えられます。また、病状が悪化したとき、すぐに対応できないという不安もあるでしょう。
 また医療面では、進行がんや末期がんに特有の症状をコントロールするには高度の医療・看護技術が必要で、在宅ではむずかしいことです。さらに、現状では、往診医や訪問看護、ヘルパーなどによるサポート態勢や、経済面での援助が十分でないため、在宅での医療を望んでも実現するのは困難な状況です。これらの問題点を考慮して社会的な支援システムを整えることが、今後の大きな課題です。
●自宅で可能な治療
 現在、在宅ケアを望む場合、自宅で可能とされる治療はつぎの3つです。退院前に、患者さんや介護する家族への十分な説明と治療技術の実施訓練が行なわれます。
①在宅栄養管理
 口から食事をとれないときに行なわれる治療で、2つの方法があります。1つは中心静脈栄養法(ちゅうしんじょうみゃくえいようほう)で、胸かくびの部分から心臓に近い中心静脈に挿入したカテーテル(細い管)を通して、栄養剤(輸液(ゆえき))を注入します。もう1つは経腸栄養法(けいちょうえいようほう)で、鼻またはわき腹からカテーテルを挿入し、胃や小腸に流動食を注入します。
②在宅化学療法
 抗がん剤などの薬剤を注入ポンプで動脈に注入する動脈内注入化学療法(どうみゃくないちゅうにゅうかがくりょうほう)や、薬を内服か点滴で静脈に注入する全身化学療法(ぜんしんかがくりょうほう)です。
③在宅疼痛管理(ざいたくとうつうかんり)
 鎮痛効果の高いモルヒネを、内服、坐薬(ざやく)、点滴(てんてき)、静脈注射などの方法で使用します。
 以上のように自宅で治療を続けても、再入院して治療する必要が出てくることもあるでしょう。末期がんであれば、介護に疲れた家族のために、一時的にホスピスの施設を利用する方法もあります。
 施設側と家族側が連携(れんけい)して、患者さんの満足できる在宅ケアが行なわれることが望まれます。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「在宅ケア」の意味・わかりやすい解説

在宅ケア
ざいたくケア

「デイケアサービス」のページをご覧ください。

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