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自宅等で暮らしている対象者に対して訪問看護サービスを提供する機関。
日本においては、超高齢化、慢性疾患罹患(りかん)者の増加を背景として、1991年(平成3)に老人保健法のもとで老人訪問看護制度が設けられ、1992年に看護職(看護師または保健師)を管理者とする訪問看護ステーションが誕生した。1994年からは高齢者以外の年齢層にも対象が拡大され、2000年(平成12)には介護保険導入に伴い、医療保険、介護保険双方の制度によるサービスが提供されている。
サービス内容は、看護職による訪問看護として対象者の状態に応じた日常生活援助(食事や排泄(はいせつ)、清潔等の援助)、膀胱(ぼうこう)カテーテルや気管切開などに伴う感染予防、医師の指示による診療の補助業務(注射など)、終末期のターミナルケア、対象者や家族への指導等がある。さらに理学療法士、作業療法士による訪問リハビリテーション、薬剤師や栄養士らとの協働も行われる。
全国の訪問看護ステーション数は、制度開始翌年の1993年には277か所、10年後の2002年には4991か所と急増してきたが、その後はほぼ横ばい状態が続いた。2012年からはふたたび増加がみられ、2017年では1万0305か所、2020年(令和2)では1万1931か所の訪問看護ステーションが設置されている。国が推進している「地域包括ケアシステム」の構築のためには、さまざまな在宅介護サービス事業所に加え訪問看護ステーションの充実がますます望まれている。
[横山美樹 2021年5月21日]
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