在宅医療(読み)ざいたくいりょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

在宅医療
ざいたくいりょう

自宅に医療機器を置き,看護師などの訪問指導を受けながら治療するシステム。 1991年厚生省は,10年計画で,保健所を中心とする地域的なシステムを全国的に展開した。対象となるのは,腎機能不全に対する自己腹膜灌流法,呼吸器障害に対する酸素吸入療法,食事のとれない人のための中心静脈栄養法などである。このシステムは,患者クオリティ・オブ・ライフ (生活の質 ) を高め,医療費を抑制するためにも有効とされている。しかし現実には,保健所の体制や,家族の支援体制の整備は立ち遅れている。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

在宅医療

医療関係者が生活の場で行う医療。医師が計画に基づいて診療に行く「訪問診療」、患者の求めに応じて診療に行く「往診」のほか、看護師、歯科医師、薬剤師、リハビリ専門職なども訪れる。患者側の負担も含めて、費用は一般的に入院と外来の間の水準だ。1990年代から在宅医療についての診療報酬(診療や手術など医療サービスごとに決められた公定価格)が次第に引き上げられた。厚生労働省は在宅医療を担う医師を増やすため、06年に「在宅療養支援診療所」制度を創設。今年の診療報酬改定でも、急増する高齢者の在宅医療を地域の「かかりつけ医」に一層担ってもらう国の方針が示され、日本医師会も在宅医療を担うことは「かかりつけ医」の重要な役割とする。「24時間365日の往診体制の確保」などを満たす「在宅療養支援診療所」はいま全国で約1万4千カ所。

(2014-06-03 朝日新聞 朝刊 オピニオン1)

在宅医療

継続的な診療が必要で、自力での通院が難しくなった患者が利用できる。医師や看護師、薬剤師らが連携し、退院の支援から日常の療養支援、急変時の対応、みとりまでを担う。日常の療養では、医師が月2回ほど定期的に行う「訪問診療」が基本で、不定期に行う「往診」もある。

(2018-01-26 朝日新聞 朝刊 1総合)

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デジタル大辞泉の解説

ざいたく‐いりょう〔‐イレウ〕【在宅医療】

自宅での療養を希望する患者に対する医療行為。医師の緊急往診と定期の訪問診療、看護師の訪問看護など。
[補説]パソコンやテレビ電話機能付き携帯電話などの情報機器を利用して、自宅にいる患者に対して医師が診断・診療を行うことについてもいう。

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大辞林 第三版の解説

ざいたくいりょう【在宅医療】

病院や自治体と連携しながら自宅での治療を目的にした医療体系。病院から医師や看護師が定期的に訪れたり、情報機器を用いて容体を捉え、適切な治療にあたる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

在宅医療
ざいたくいりょう
home medical care

入院、外来ではなく、患者の居宅で行う医療。医療者が往診、訪問し、適切な器具や薬剤を利用して治療する。代表的なものには、在宅酸素療法、在宅人工呼吸療法、在宅栄養補助療法(在宅中心静脈栄養療法、在宅径管径腸栄養療法)、鎮痛用の麻薬などによる在宅注射療法、訪問リハビリテーション、訪問薬剤指導、訪問栄養指導などさまざまな種類のものがある。従来は病室で行われていた内容だが、患者の希望や便宜のために広がりつつある。
 厚生省(現、厚生労働省)は1986年(昭和61)、高齢者対策として「高齢者の多くは住み慣れた地域社会のなかで家族とともに暮らしたい願望を持つので、家庭での介護機能を強化し、在宅サービスシステムを確立する」との方向性を打ち出し、1994年(平成6)には在宅医療が保険給付の対象に繰り入れられた。2006年(平成18)には在宅療養支援診療所の整備が始まった。
 在宅医療は一般的には入院医療より費用がかからない。長期入院による医療費増加を懸念する厚生労働省は、関連の診療報酬の点数を上げることで在宅医療に誘導している。[田辺 功]

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