坊様(読み)ぼうさん

精選版 日本国語大辞典 「坊様」の意味・読み・例文・類語

ぼう‐さん バウ‥【坊様】

〘名〙 (「ぼうさま(坊様)」の変化した語)
僧侶、または僧形の人を親しみ敬っていう語。ぼんさん。
人情本・花街寿々女(1826)下「ぬしアいつそのやうに坊(バウ)さんにをなんなんしたへ」
坊主頭
※人情本・春色梅児誉美(1832‐33)三「坊さんにならねへと、その頭の瘡腫(できもの)が治らねへヨ」
③ 富裕な家の男児敬称
洒落本・彙軌本紀(1784)「坊様(ボウサン)の幼号は西風に吹散じ、軽薄子来ッて若旦那と称す」

ぼん‐さま【坊様】

〘名〙 (「ぼうさま(坊様)」の変化した語)
① 僧侶を敬っていう語。ぼんさん。
狂言記・腹不立(1660)「してこなたは、どれからどれへござるぼんさまでござる」
男の子を親しんで呼ぶ称。ぼんさん。
※世話用文章(1692)中「坊様(ホンサマ)男子なり」
③ めくりカルタで釈迦の一〇の札。
浄瑠璃・吉野都女楠(1710頃か)四「こなたは加番に青のぼん様」

ぼん‐さん【坊様】

〘名〙 (「ぼんさま(坊様)」の変化した語)
① 僧侶を敬い親しみを込めていう語。
重言見立大角力(1818‐30頃か)「寺のぼんさん」
② 男の子を、「ぼんさま」より少しくだけて親しみをこめていう語。
咄本・新板一口ばなし(1839)一四「いとさんか、ぼんさんぢゃ」

ぼう‐さま バウ‥【坊様】

〘名〙 (「さま」は接尾語)
① 僧侶また、僧形の人を敬っていう語。坊さん。
※虎明本狂言・骨皮(室町末‐近世初)「あの坊さまのさやうの事なされたか」
目上の人や主人などの男の子を敬っていう語。ぼっちゃま。坊っちゃん。〔随筆守貞漫稿(1837‐53)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「坊様」の意味・読み・例文・類語

ぼん‐さま【坊様】

《「ぼうさま」の音変化》
僧を敬っていう語。ぼうさま。ぼんさん。
「これ、―、おくたびれかして早い御寝なりやう」〈浮・御前義経記・四〉
男の子を敬っていう語。
「やっぱり―のやうに、おっつけ千五百石の若旦那」〈浄・歌祭文

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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