志賀直哉の短編小説。1917年(大正6)《白樺》に発表。18年新潮社刊行の《夜の光》に収録。山手線の電車にはねとばされ怪我をした〈自分〉は,その後養生(あとようじよう)に但馬の城崎温泉に出かけ,そこでの静かな生活のなかで,蜂の生と死,鼠の生と死,イモリの生と死の姿に触れる。静寂,恐怖と執着,偶然のかたちで襲ってくる生と死の異なったありようを目撃することで,おのれの生と死に思いをいたし,生きていることと死んでしまっていることは両極ではなく,それほどの差はないという認識に至る。その描写は簡潔にして的確,谷崎潤一郎の《文章読本》などによって名文の典型の評価を得た。心境小説の代表作。闘争から調和へと向かう志賀文学の展開のなかでも重要な位置を占める。
執筆者:紅野 敏郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新