新内節の曲名。義太夫節の一部をとって新内化した段物《恋娘昔八丈(こいむすめむかしはちじょう)》(通称《お駒才三(おこまさいざ)》)の一部。同名の義太夫節《恋娘昔八丈》が流行曲となったので,天保~嘉永(1830-54)のころ,2世鶴賀鶴吉の時代に,その四段目《城木屋》から脚色された。お家の宝詮議のため髪結となった才三が城木屋へ来ると,恋人お駒には,今夜,持参金つきの婿がくるという。才三がお駒を責めると〈お駒は顔を振り上げて〉以下のクドキとなる。義太夫節でも評判になった〈そりや聞こえぬぞえ才三さん〉がやはり有名。これに続く《鈴ヶ森》も,同じく義太夫節の五段目の《鈴ヶ森》を脚色。実は宝盗人であった婿を殺してしまったお駒が,江戸市中を引き回され鈴ヶ森に着いて覚悟をきめ,〈可愛い夫へ義理立てば〉以下のクドキとなる。義太夫節のお駒の命が助かるところはない。なお,のちに《婿入の段》《牢屋の段》も作られたが,今は語る人はいない。
→恋娘昔八丈
執筆者:竹内 道敬
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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