精選版 日本国語大辞典「真実」の解説
しん‐じつ【真実】
[1] 〘名〙 (形動)
① うそでないこと。偽りでないこと。また、そのさま。ほんとう。誠。しんじち。
※菅家文草(900頃)四・仁和四年、自春不雨。府之少北、有一蓮池「善根道断呼二甘樹一、真実謀窮稔二福田一」
※今昔(1120頃か)五「若し真実の言を致さば我が身本の如く可平復し」 〔陸雲‐与戴季甫書〕
② 仏語。仮でないこと。永久にかわらない絶対究極のまことのもの。また、そのようなさま。しんじち。
※法華義疏(7C前)一「真実者。謂二今日一一。此一当実非レ虚。故称二真実一也」 〔勝鬘経‐真実義功徳章〕
[2] 〘副〙 ほんとうに。たしかに。まったく。すっかり。
※平家(13C前)七「木曾真実意趣なきよしをあらはさんがために」
※滑稽本・浮世床(1813‐23)初「イヤイヤこればかりは実ぢゃ真実ほんまの事ぢゃ」
しん‐じち【真実】
〘名〙 (形動) (「じち」は「実」の呉音)
① =しんじつ(真実)(一)①
※伊勢物語(10C前)四〇「いとかくしもあらじと思ふに、しんじちに絶えいりにければ」
※虎明本狂言・靫猿(室町末‐近世初)「是はいかな事それはおざれ事でござらふ。〈略〉いやしんじちじゃ」
② =しんじつ(真実)(一)②
※浄土三経往生文類(1257)「この真実(シンジチ)の称名と真実の信楽をえたる人は、すなはち正定聚のくらゐに住せしめむとちかひたまへるなり」
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