塗抹(読み)とまつ

精選版 日本国語大辞典 「塗抹」の意味・読み・例文・類語

と‐まつ【塗抹】

〘名〙
① ぬりつけること。なすりつけること。塗布
空華集(1359‐68頃)二・次韻寄呈定山和尚「雪峰写出同風句、塗抹還如水墨龍」 〔劉克荘‐再獲一硯自和詩〕
② ぬりけすこと。ぬりつぶすこと。また、比喩的に、除いてなくしてしまうことや、都合の悪いことなどを覆い隠したり、見て見ないふりをしたりしてうわべをつくろうこと。抹殺抹消
※授業編(1783)凡例「其冊子まことの草稿にして増損塗抹(トマツ)見がたければ」 〔隠窟雑志〕

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デジタル大辞泉 「塗抹」の意味・読み・例文・類語

と‐まつ【塗抹】

[名](スル)
塗りつけること。塗布。
塗りつぶすこと。塗り消すこと。
「ヒトフデニ―スル」〈和英語林集成
物事を覆い隠したり除いたりすること。「汚職の跡を塗抹する」
[類語](1塗装塗布塗り塗るなす掃く付ける塗り付ける塗りたくる塗擦する塗り立てる塗り潰す塗り込める塗り替える擦り付ける/(2)(3消す抹消する抹殺する

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「塗抹」の読み・字形・画数・意味

【塗抹】とまつ

塗りたくる。〔宋史、姦臣二、攸伝〕或いは曲宴に侍しては、則ち短衫(たんさん)窄袴(さくこ)、紅を塗抹し、倡優侏儒(しゆじゆ)を雜(まじ)へ、多く市井の(いんせつ)謔浪(ぎやくらう)の語を(い)ひ、以ての心を蠱(まど)はす。

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