擦る(読み)スル

デジタル大辞泉 「擦る」の意味・読み・例文・類語

す・る【擦る/▽摩る/▽磨る】

[動ラ五(四)]
1 物に、他の物を強く触れ合わせて動かす。こする。「マッチを―・る」
2 物の表面に他の物を押し付けて繰り返し動かす。「やすりで―・って仕上げる」「墨を―・る」
3 賭事かけごとなどで、金を使ってなくす。費やす。すり減らす。「競馬で財産を―・った」「元も子も―・ってしまう」
4 (「擂る」と書く)すり鉢などに入れて、触れ合わせて細かく砕く。「味噌を―・る」
[可能]すれる
[動ラ下二]「すれる」の文語形。
[類語](1)(2)さする・撫でる・こする・撫で下ろす・撫で上げる・逆撫で・愛撫・撫ぜる・撫ぶする・撫で回す・撫で付ける・塗る・触れる/(3)消費・費消・消耗・消尽・消却・費やす・使う・入れ揚げる・札片さつびらを切る・金に飽かす・金に糸目をつけない

こす・る【▽擦る】

[動ラ五(四)]
1 物を他の物に強く押し当てたままで動かす。また、そのように繰り返し続けて動かす。「目を―・る」「あかを―・る」「電柱に車体を―・る」
2 遠回しにいやみや皮肉を言う。あてこする。
「如何どんなに―・られても、左程にも感じなかったが」〈二葉亭・其面影〉
[可能]こすれる
[類語]さする・撫でる・擦る・撫で下ろす・撫で上げる・逆撫で・愛撫・撫ぜる・撫ぶする・撫で回す・撫で付ける

なす・る【▽擦る】

[動ラ五(四)]
1 物の表面に他の物をつけようとして、軽くこする。「顔に墨を―・る」
2 責任・罪などを他の人に負わせる。転嫁する。「失敗の責任を部下に―・る」
[類語]塗る・掃く・付ける・塗り付ける・塗りたくる・塗布する・塗抹する・塗擦する・塗装する・塗り立てる・塗り潰す・塗り込める・塗り替える・擦り付ける

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精選版 日本国語大辞典 「擦る」の意味・読み・例文・類語

こす・る【擦】

  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
  2. ① 物と物とを押し当てたまま、何度も動かす。
    1. [初出の実例]「さて馬は、風沙の上にまるび臥して、身をこすりて、鬣をふるい」(出典:四河入海(17C前)二五)
  3. ② 他の事にかこつけていやみや皮肉を言う。あてこする。
    1. [初出の実例]「どうるいが有ると母おやこすられる」(出典:雑俳・柳多留‐二三(1789))
  4. ③ 使ってなくす。費やす。する。
    1. [初出の実例]「かけがへのねへ大楮幣(おほさつ)をとうとう一枚こすらせられたぜ」(出典:安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉初)
  5. ④ 相場で、思惑外れで損失ばかり続く意をいう語。〔取引所用語字彙(1917)〕

擦るの補助注記

語の成り立ちについてははっきりしないが、「こすり(擦)」の動詞化したもの、あるいは「する(擦)」に接頭語「こ」の付いたものとする説などがある。また、②については、「耳をこする」の略とする説がある。


なす・る【擦】

  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
  2. ① 物の表面に当ててこする。すりつける。こすりつける。
    1. [初出の実例]「頭へ青黛を泥(ナス)って、ちと否身たっぷりの拵へ」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四)
  3. ② 自分の責任や過失などを他の人に負わせる。転嫁する。なすりつける。
    1. [初出の実例]「屁ひり虫人になすった面つきぞ」(出典:俳諧・七番日記‐文化一二年(1815)七月)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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