塵垢（読み）ジンコウ

デジタル大辞泉

じん‐こう〔ヂン‐〕【^×塵^×垢】

１ ちりとあか。よごれ。
２ 世俗の事柄。わずらわしい俗事。「塵垢にまみれる」

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

じん‐こうヂン‥【塵垢】

1. 〘 名詞 〙 ( 「こう」は「垢」の漢音 )
2. ① ちりとあか。けがれ。よごれ。
   1. [初出の実例]「苔蘇密間乏_二塵垢_一、松杉攅処有_二清風_一」(出典：経国集（827）一〇・聞右軍曹貞忠入道因簡大将軍良公〈淳和天皇〉)
   2. [その他の文献]〔淮南子‐詮言訓〕
3. ② 世俗の事。俗界の煩わしい事柄。じんく。
   1. [初出の実例]「人生の塵垢(ヂンコウ)其の心を汚すことを得ず」(出典：基督と其の事業（1902）〈植村正久〉)
   2. [その他の文献]〔荘子‐大宗師〕

じん‐くヂン‥【塵垢】

1. 〘 名詞 〙 ( 「く」は「垢」の呉音 ) 仏語。煩悩のこと。
   1. [初出の実例]「仏は清浄の直身に在す、汙穢(わゑ)塵垢には非ずと貴く思ひ奉るに」(出典：今昔物語集（1120頃か）三)

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【塵垢】じん（ぢん）こう

ちりや、あか。〔荘子、逍遥遊〕之(こ)の人や、物之れを傷(やぶ)る(な)し。大天に稽(いた)るもれず、大旱金石れ、土山焦(や)くるも熱せず。是れ其の塵垢秕糠(ひかう)も、將(まさ)にほ堯を陶鑄(たうちう)せんとす。孰(たれ)か肯(あへ)て物を以て事と爲さん。

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出典　平凡社「普及版 字通」