デジタル大辞泉 「碑」の意味・読み・例文・類語
ひ【碑】[漢字項目]
1 記念にするため文字を刻んだ石。いしぶみ。「
2 語り伝えるもの。「口碑」
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
ある目的をもって文辞を刻み、それを後世に伝えるために立石したものをいう。中国伝来のものであるが、わが国においては飛鳥(あすか)時代以降に各種のものがつくられた。墳墓に立てられた墓碑のほか、伊予(いよ)国道後(どうご)(愛媛県松山市)の例に代表される温湯(ゆ)碑、宇治橋(うじばし)断碑とよばれる架橋記念碑、多賀(たが)城の由来を記した多賀城碑のごとき築造碑、上野(こうずけ)国(群馬県)多胡(たご)郡の建郡を記念した建郡碑、歌碑として著名な薬師寺の仏足石歌(ぶっそくせきか)碑、改修・修築のおり河畔・池畔に立てられる河川改修・造池碑、あるいは仏教関係の造寺碑、供養(くよう)碑、経碑などもある。また、頌徳(しょうとく)碑、由来碑の類もかなり認められている。とくに頌徳碑などは時代が下降するにしたがって碑文が詳細になり碑自体も大形になってくる傾向がある。これらの碑文には場合によってはその事績などを賛するあまり誇張する表現も認められる。
[坂詰秀一]
…金属や石など硬質の素材に刻まれた文,すなわち金石文(碑文)を考察対象とする学問。碑文学ともいう。…
…また金文は殷以来鋳銘で陰文がほとんどであるが,まれに陽文もあり,さらに戦国末にはたがねによる線刻も行われるようになった。 石刻には碑,碣(けつ),墓誌,造象,磨崖(まがい)などがあるが,主要なものは碑,碣,墓誌の三つである。碑は本来は廟門に立てて犠牲をつないだり,墓所に立てて棺を縄で墓中につり下ろすときに用いられたものである。…
…しかしその大半は,篆書から隷書に移る一種の雑然とした書体によって占められている。書体 後漢になると,自然石を利用した碣(けつ)や磨崖のほかに,石を一定の形式に加工したいわゆる碑も盛んに作られ,それらを合わせると今日百数十種もの作例を見ることができ,一括して漢碑と総称している。数多い漢碑のうち,書風として特色のあるものをいくつか取り出して分類すると,(1)正統派,(2)素朴派,(3)神霊派の3種をまず挙げることができる。…
…中国では石材を一定の形に加工して,紀念の文章を刻みつけたものを碑という。先秦時代では石に文章を刻んだものとして,秦国の石鼓文が古くから著名であり,近年になって中山国王の刻字河光石が発見されている。…
…秦の始皇帝の刻石や高句麗の好太王陵の刻石がその実例。碑は廟門の前に立て犠牲獣をつないだ石,または墓に立て棺を地下に降ろすのに用い石に文章を刻したのが起源だといわれ,断面は長方形である。後漢の中ごろから始まり隋・唐時代に極盛に達し,螭首(ちしゆ)(碑の頭部に向かいあった一対の竜を刻す)亀趺(きふ)(亀の台座)を備えるのが後世の定形となった。…
※「碑」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新