壺井義知(読み)ツボイヨシチカ

精選版 日本国語大辞典 「壺井義知」の意味・読み・例文・類語

つぼい‐よしちか【壺井義知】

  1. 江戸中期の有職故実家。字(あざな)子安。号は鶴翁・鶴寿など。通称安左衛門。河内大阪府)の人。有職故実の研究に従事記録によって自らの説をたてた。日本有職故実学の鼻祖。著「職原抄弁疑私考」「装束要領抄」など。明暦三~享保二〇年(一六五七‐一七三五

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「壺井義知」の解説

壺井義知 つぼい-よしちか

1657-1735 江戸時代前期-中期の有職(ゆうそく)家。
明暦3年2月9日生まれ。京都にでて四辻(よつつじ)家につかえ,平田内匠(たくみ)に官職をまなぶ。のち独学で故実を実証的に研究し一家をなした。享保(きょうほう)20年10月24日死去。79歳。河内(かわち)(大阪府)出身。字(あざな)は子安。通称は安左衛門。号は鶴翁,鶴寿,温故軒。名は「よしとも」ともよむ。著作に「職原鈔弁疑私考」など。

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世界大百科事典(旧版)内の壺井義知の言及

【位署書】より

…律令制において,官人が文書に署名するときなどに,その人の帯びている位階(以下,位という)・官職(以下,官という)・姓・名を,一定の規式にしたがって書くこと,また書いたもの。律令官位制度は1869年(明治2)まで1200年近く行われたので,叙任者にとっては必要な知識であったが,令には基本的な規定しかないため,早くから有職故実の一部として実例を集めて研究・帰納され,その成果は《拾芥(しゆうがい)抄》などに集成されており,江戸時代中期には壺井義知が《位署式私考》《位署難義私考》を著している。公式令の詔書式以下の署名が官・位・姓・名の順であることから,官位相当のときは官・位の順に書くことが判明し,また選叙令に1人で2官以上に任ぜられたときは,一を正官,他を兼官とせよ,官位不相当のとき,官が位より低いときは〈行〉,官のほうが高いときは〈守〉とせよ,と定めている。…

【職原鈔】より

…群書類従本では〈准大臣〉の項が明らかな後筆である。江戸時代の多数の注釈書のうちでは,壺井義知の《職原鈔通考》がもっともすぐれている。《群書類従》所収。…

【律令法】より

…降って室町時代に一条兼良は《令抄》を著したが,これも古来の注釈を摘記したものにすぎない。ついで江戸時代に入ると漢学者,国学者の双方による律令研究が盛行し,注釈書を残した者に壺井義知(つぼいよしちか)(1657‐1735),荷田春満(かだのあずままろ),稲葉通邦(いなばみちくに)(1744‐1801),河村秀穎(ひでかい),河村秀根(ひでね),薗田守良(そのだもりよし)(1785‐1840),近藤芳樹などがあるが,依然として研究の中心は解釈学におかれていた。 しかし近代史学の発達とともに,律令の研究はその解釈にとどまらず,多方面にわたって深化した。…

※「壺井義知」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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