日本大百科全書(ニッポニカ) 「多面体図法」の意味・わかりやすい解説
多面体図法
ためんたいずほう
polyhedric projection
地図投影の一種。中縮尺以上の大きい縮尺の地形図などで、経緯線で区切られた区画(図郭)を地図ごとの表現範囲とした場合、各辺が対応する経線および緯線に対し距離が縮尺どおりに正しく表される正距となる等脚台形で表す図法。等脚台形の左右の辺のかわりに台形の高さ(中央経線)を正距としたものも含まれ、日本の旧版地形図はこれに相当する。地図内部の地点は、地図の図郭となる経緯線との経緯度差に応じて比例配分した位置に作図される。18世紀にプロシアの地形図作成に採用されて以来、20世紀中ごろまで世界中の地形図の標準的図法となっていた。
[金澤 敬]